本日(2013/11/1)の日本経済新聞・文化欄で、帝塚山大学准教授の姜聖淑さんが「おもてなしの粋 女将学」という論文を寄稿されています。
日本の良さをあらわす言葉、「おもてなし」。
それを体現する場所は日本旅館であり、それを支えるのは女将です。
姜聖淑さんは、来日した際に日本旅館に泊まり、その細やかな気遣いに感動され、日本旅館の女将を研究しようとなさったそうです。実はそれまで、誰も「女将」を学術的研究対象と考えていなかったのですよね。
色々と調べたり、実際に旅館や女将に話を聞いてわかったことは、「客が望むサービスを、心を込めて提供するリーダーが女将さん」だということ。「表情を読み取ってお客のニーズを把握」したり、「客の様子に応じて配膳の流れを変えたり」、と現場のリーダーだったのですね。
さらに、「お茶、お花、舞踊などを習得し、和の文化やおもてなしの心を自らの振る舞いで示す存在」でもありました。
さらにこのように書いています。
—(以下、引用)—-
驚くこともあった。ある有名旅館の大女将の記憶力はすごく、常連客の電話の声を少し聞いただけで相手が誰か分かった。提供した料理、好みも記録し、満足度を高める努力をしていた。
—(以上、引用)—-
女将は、永年をかけてその旅館の伝統を受け継いでいて、常連客の膨大な知識も蓄積しており、決して代替できない存在なのですね。
日本企業でも、この女将のような役割を果たしてきた社員は多いと思います。なかなか厳しい経営環境ですが、だからこそ、大切にしていきたいものです。