現代では、様々な新しいことにチャレンジしていくことが必要になります。
一方でチャレンジには失敗が付きもの。ともすると、失敗を恐れて、なかなかチャレンジできないのもまた、現実です。
しかし、チャレンジして失敗から学べば、成功する可能性もまた大きくなります。
「爆速経営 新生ヤフーの500日」(蛯谷敏著、日系BP社)では、ヤフー・宮坂学CEOの次の言葉を紹介しています。
「今よりも10倍挑戦して、5倍失敗して、2倍成功する」
しかし「5倍失敗する」にしても、損失はなるべく最小限にしたいものです。
具体的に、どのようにしればよいのでしょうか?
昨日ご紹介した、「アダプト思考」(ティム・ハーフォード著、ランダムハウスジャパン)で、この具体的な方法について触れている箇所がありましたので、ご紹介します。
—(以下、p.327から引用)—
アダプトの基本原則を企業や日常生活に応用するには3つのステップがある。…
第一に、新しいことを試す。ただし、挑戦に失敗はつきものであると覚悟しておく。
第二に、失敗しても大きな問題にならないようにする。そのためには失敗しても大丈夫な保護区をつくるか、小さなステップで少しずつ進むことだ。…ここではどのくらいの規模で実験するかを見きわめることがカギとなる。違いを生むには十分な大きさでなければいけないが、失敗したらすべてが終わってしまうようなギャンブルにしてしまってもいけない。
第三に、失敗を失敗と認める。それができなかったら、失敗から学ぶことはできない。
—(以上、引用)—-
1990年代後半、IBMが従来のビジネスを、IT活用を前提にした「eビジネス」にシフトすることを世に問うた際に、“Start Small, Grow Fast”というアプローチを提唱していました。
ハーフォードが述べた上記の3つのステップは、まさに“Start Small, Grow Fast”の具体的な方法論でもあります。
ハーフォードが提唱する3つのステップの中で、一番難しいのは、もしかしたら「失敗を認める」ことなのかもしれません。
ともすると私たちはなかなか失敗を認めることができません。しかし、失敗を認めない限り、次の進歩もないのですよね。
そして失敗を学ぶ際には、犯人捜しに陥ることなく、原因特定と対策立案に集中したいものです。