早稲田大学ビジネススクール准教授の入山章栄さんが、ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビューに「世界標準の経営理論」という論文を連載しておられます。
現時点で4回目ですが、これが素晴らしい連載です。
第1回目(2014/09号)
理論を思考の軸に変える ビジネスパーソンは、いまこそ経営理論を学ぶべき
第2回目(2014/10号)
SCP理論1 「ポーターの戦略」の根底にあるものは何か
第3回目(2014/11号)
SCP理論2 ポーターのフレームワークを覚えるよりも大切なこと
第4回目(2014/12号)
リソース・ベースド・ビュー バーニーの理論をようやく使えるものにしたのはだれか
特に連載2回目から4回目にかけて、経済理論の需給曲線から、SCP、そしてポーターから、そのアンチテーゼでもあるバーニーの戦略への展開がお見事です。
しかもフレームワークとして弱いバニーのRBVを、ちゃんとしたフレームワークとして補強したのがポーターだというのも、まさにポーターの「競争の戦略」で書かれていた通りです。
連載を読んでいて、「知的興奮というのは、まさにこういうものなのか」と感じました。
「経営理論はアカデミーの世界で、リアルなビジネスからは遠い」と思われがちです。
しかし、世の経営理論がどのような背景と考え方で生まれてきたかを理解することで、自分の仕事でも大いに役立つのではないでしょうか。
連載第3回目にある次の文章が、理論を理解する重要性を端的に語っています。
このように、フレームワークの子細をいちいち覚えるよりも、その根底であるSCP理論(すなわち連載前回の内容)を理解して「思考の軸」を磨くほうが、結果的には、よりさまざまな業界・企業の分析に対応できると筆者は考える。
フレームワークや理論の詳細ではなく、むしろその背景にあるシンプルな考え方を理解することで、様々な場面での応用が利くようになります。
経営理論に興味がある方には、是非ご一読をお勧めします。