クリス・アンダーソン著『フリー〜〈無料〉からお金を生みだす新戦略』は、フリーミアム、つまり「無料」のビジネスモデルを解説した名著です。
このフリーミアムのビジネスモデルは、ラジオ放送やテレビ放送など昔から様々な手法がありました。
一方でインターネットが普及し、デジタル財をほぼゼロのコストで個人がやり取りできるようになり、さらに新しいビジネスモデルが生まれています。(このブログをご覧になっている方々にとっては、今さら言うまでもないことだと思います….)
たとえば本書では中国の香香(シャンシャン)という25歳のポップスターの例が紹介されています。
香香はCDを400万枚出していますが、そのほとんどは海賊版。
CDからはほとんどお金は入ってきません。従来の考え方からすると大損です。
しかしCDで知名度を上げることで、メディアやCMに出演したり、コンサートツアーをしたりして莫大な売上を上げています。
香香にとって、不正コピー業者は最高のマーケティング担当者だ、と本書では紹介されています。
本書を読んで、フリーミアムに限らず現代においては、ほんの10年前には常識だったことであってもその先入観は捨てる必要がある、と感じました。