プレゼンにおける話の掴み


一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の楠木建先生が日経BP社のイベントで特別講演された様子が、日経ITproに掲載されています。

「イノベーションは努力してやるものではない」、一橋大学大学院の楠木建教授

記事はイノベーションの本質について語ったもので、とても勉強になります。

加えて感じたのは、楠木先生はとても分かりやすい比喩を「話の掴み」に使い、持論を印象付けることがうまいこと。

楠木先生のご講演は10年ほど前に拝聴したことがありますが、その時も分かりやすい比喩を沢山使っておられました。

この記事でも、こんな事例を紹介されています。

■ビジネスクラスのリクライニング角度:135度→155度→180度と進歩していった。しかし180度以上にしても、顧客が価値を吸収できない

■アサヒ飲料の「十六茶」を基に、他社が開発した「二十一茶」がある。経営陣が意思決定する際、『十六茶に対してうちの二十一茶は5種類も多い』という可視性の罠に陥っているため。ちなみに、十七茶・十八茶・二十二茶・二十四茶・四十八茶もある。他にも「五穀米」を基に、十穀米・十五穀米・二十穀米もある。

これらの例はとてもわかりやすく、会場のお客さんにも受けたようです。

10年前のご講演では、リクライニングのケースは別の意味合いで使っておられました。「話の掴み」を臨機応変に使いこなしておられます。

 

貴重な時間を使って来ていただくお客さんに、プレゼンで分かりやすくメッセージと価値をお伝えするには、「話の掴み」はとても重要です。

改めて参考になりました。