このGW休みに、久しぶりにトーマス・フリードマンの「フラット化する世界」普及版を読みました。
この本は、2005年に初版、その後増補改訂版が出て、さらに最新アップデートを反映した普及版が出ています。
私はまだ日本語版が出ていない2006年1月に英語版を四苦八苦して読んだ際に、その内容に大きな衝撃を受けました。
それから既に6年以上経過し、ここに書かれた内容はかなり現実化していますが、現在のグローバル化で起こっている現象を理解する上で、改めて参考になると思いました。
今や多くの仕事がフラット化の影響を受けています。
例えば以前、「【驚異的に格安で、高品質。しかも凄く速くてカンタン】 freelancer.comで、新興国への外注サービスを、個人で使ってみた」というエントリーでご紹介した通り、日本で数万円する仕事が、ネットで海外に2500円で外注できてしまう時代です。しかも高品質。
私自身、既にフラット化は日本でも現実になりつつあることを実感しています。
本書でフリードマンは、「自分の仕事がアウトソーシング、デジタル化、オートメーション化されない人々」のことを「無敵の民」と呼び、それらをいくつかに分類しています。(「フラット化する世界普及版」中のp.66〜)
・かけがえのない特化した人々:マドンナ、かかりつけ脳外科等
・地元に密着して錨を下ろしている人:行きつけ理髪店、弁護士
・新ミドルクラス:共同作業のまとめ役
一方で、渡邉 正裕著「10年後に食える仕事、食えない仕事」では、「グローバル化時代の職業マップ」として、スキルタイプが知識集約的か技能集約的か、日本人メリットが大か小かで、職業を次の4つに分類しておられます。
スキル:知識集約的、日本人メリット:大→グローカル
スキル:技能集約的、日本人メリット:大→ジャパンプレミアム
スキル:知識集約的、日本人メリット:小→無国籍ジャングル
スキル:技能集約的、日本人メリット:大→重力の世界
これはすごく分かりやすい分類ですね。
先のエントリーで紹介した写真のレタッチなどは、まさに「重力の世界」。この世界で頑張るのは大変です。
一方で、マーケティングは「グローカル」に位置づけられます。
ここで重要なのは、「グローカル」の仕事をしていたとしても、それが本当に日本の顧客の真の要望を理解して行っているかどうか、です。
当ブログや、拙著でも繰り返しご紹介している「バリュープロポジション」や「顧客中心主義」の考え方は、私たちにとってますます重要になってきていると実感しました。