2012/8/16の日本経済新聞の特集「シニアが拓く(3)関連市場は成長期――心は青春、消費の型破る」で、以下のような記述がありました。
—(以下、引用)—
積極的に消費に励むシニアにシニアの自覚はない。クルーズ船「にっぽん丸」を運航する商船三井客船(東京・港)が07年に売り出した2泊3日の「アクティブシニアクルーズ」。還暦を迎える団塊の世代を狙った企画には誤算があった。「シニアと呼ばれるのは違和感がある」。利用客アンケートの指摘を受け、翌年からその看板を下ろした。
—(以下、引用)—
なるほどなぁ、と思いました。
マーケティングの世界では、「デモグラフィックス」という考え方があります。例えば年齢、地域、性別、職業、所得といった属性によって消費者を分類する方法です。
デモグラフィックスで顧客を分類すると、顧客データベースが整備されていれば比較的容易に対象顧客を絞り込むことができ、マーケティング施策に展開しやすい、という利点があります。
一方で最近は顧客のニーズが多様化してきてデモグラフィックスだけでは十分に分類できないようになってきました。そこでサイコグラフィックスという分類法が使われています。
サイコグラフィックスとは、ライフスタイル、行動、価値観といった心理的属性で消費者を分類する考え方です。
このように考えるとある程度の年齢の人たちをマーケティング上まとめて「シニア層」と考えるのは、デモグラフィックス的な考え方である、と言えます。「シニアと呼ばれるのは違和感がある」というシニア層には、この考え方でマーケティング施策を考えるのは大雑把すぎるかもしれません。
確かにシニア層には「孫のために買う」とか、「潤沢な時間がある」など、他の消費者層にはない特性があるのは事実です。だからより効果を上げるためには、もっとサイコグラフィックスの観点でシニア層を捉えていくことが必要なのだ、と記事を拝読して感じました。