何かを決めようとすると、「その方針だと、これが出来ないので困る」
その意見を取り込むと、「コレも入れて欲しい」
このようにして、色々な意見を取り込んでいくと、出来上がったものは色々な要望の固まりになります。
その結果、例えば商品だと他社も出している月並みなものになってしまいますし、マーケティング戦略だと他社と変わり映えのない月並みなものになってしまいます。
一方で、「尖っているもの」は「何かを捨てている」ことがとても多いのです。
例えば低収益で多くの会社が経営難に陥っている米国の航空会社の中で、ほぼ唯一高収益のサウスウェスト航空。
指定席、ビジネスクラス、無料の機内食、他航空会社への手荷物転送など、普通の航空会社が用意しているサービスは一切ありません。しかし近距離・低価格に特化し、機種もB737一本なので保守効率もよく、低価格・低コスト・高収益を実現しています。
いわゆるLCCの走りの会社です。
私たちは、どうしてもすべての顧客にすべてのものを届けようと考え勝ちです。だからなかなか差別化できないのかもしれません。
マイケル・ポーターも「戦略とは、競争上必要なトレードオフを行うこと。戦略の本質とは、何をやらないかという選択肢である」と述べています。
結局、ターゲットを誰に絞り、何を捨てて、何に特化するか、というトレードオフを徹底的に考えることが、必要なのかな、と思います。