「ナンバーワンよりも、オンリーワン」…しかしオンリーワンは、本来勝ち取るもの


SMAPの「世界でひとつだけの花」で、「ナンバーワンよりも、オンリーワン」という言葉が流行りました。

「ビジネスパーソンとして、自分らしさを追求する。オンリーワンを目指す」という人も多いのではないでしょうか。しかしなかなかうまく行かないケースも少なくないのもまた、現実だと思います。

 

ビジネスパーソンは企業の一部です。そこでまず、企業に置き換えて考えてみましょう。

 

プラットホーム戦略で「ナンバーワン」を目指して規模を求めるアプローチがあります。アップルやGoogle等が典型です。しかし、それができるプレイヤーは限られているのが現実です。

むしろ多くのプレイヤーが考えるべきは、オンリーワンになること。

顧客の要望はますます多様化しています。多様化した、特定の顧客の要望に、自社ならではの解決策を提供する。つまり自社にしかできないことを目指すことが必要です。

顧客中心主義の視点でも、「ナンバーワンよりも、オンリーワン」は、本来求められていることです。

 

しかし、ここで注意すべき点があります。

自分の独自技術を深めることだけに集中してしまうことです。

いくら自分の独自技術を深めても、それだけでは、ビジネスにはなりません。

その独自技術を必要とする顧客が存在し、その顧客が価値を認めることで、初めてビジネスとして成立します。

つまり、単に「オンリーワンの存在」であるだけでは不十分で、「それを必要とする顧客にとってのオンリーワン」の存在になることが必要なのです。

では、どのようにそのような顧客を見つけるのか?

他の誰も見つけてくれません。自分で探すしかないのです。

 

つまり、

「自分にとっての、オンリーワン」

から、さらに一歩進化して、

「顧客にとっての、オンリーワン」

でなければならないのです。

そしてそのような顧客は、「オンリーワン」であるための研究開発と同じ労力をかけて、自分で探し出さなければならないのです。場合によっては顧客から学ぶことで、さらに進化することも必要になります。

 

企業の視点で見てきましたが、ビジネスパーソンも同じことだと思います。

「自分は唯一無二の存在だ。自分は、自分らしさを極める」と考えることも大切です。しかしそれだけでは、独りよがり。

さらに一歩進んで、「では、誰がそれを喜んでくれるか」を考えることが必要なのかな、と思います。