個人が目指すべきは、「ブルーオーシャン」ではなく、「ブルーアイランド」


日経ビジネスオンラインの記事「ボロ儲けにはコツがあった!」で、沖有人さんが、「ブルーアイランド戦略」という考え方を提唱されています。

—(以下、引用)—

 正直に言う。私は今、市場を独占している。

 そう言うと多くの読者は驚くかもしれない。だが、何てことはない、自分で市場を創ってしまえばいいだけのことだ。

 ….他人がやっていない小さな事業を見つけて、こっそり始めるのだ。そして一気にノウハウを確立してしまえば、大手企業といえども、簡単には手を出してこない。しかも、市場が小さければ、「まあ、あの分野は面倒だからやめておこう」となる。

 そして、小さいながらも市場の独占が続く。これほど、おいしい事業はないと思う。なにせ、競合相手がいないのだから。

 私はそれを「ブルーアイランド戦略」と名付けることにした。

—(以上、引用)—

 

補足しますと、この「ブルーアイランド戦略」は、「ブルーオーシャン戦略」と対比しています。

「ブルーオーシャン戦略」とは、競争の激しい市場「レッドオーシャン」(鮫がお互いを食い合っていて血の海になっている状態)を避けて、競争のない市場「ブルーオーシャン」を切り開き、そこでダントツのシェアを確保し、先行者利益を享受する戦略です。

しかし、ブルーオーシャンと言えども、いずれ競合が攻めてきて、競争になります。

当記事で提唱されている「ブルーアイランド戦略」は、この市場規模がグンと小さい市場で市場を独占する考え方。

あとから大手が参入しようにも、市場で見込まれる収益よりも参入コストの方が大きく、しかも先行者に勝てる見込みも小さく、結局大手にとっては採算が合わないため、独占を続けることができます。

例えば、業務用ミラーで国内7割以上のシェアを握る社員10名のコミーも、まさにこの例ですね。業務用ミラーとは、よくコンビニや書店の天井にある、あの鏡です。業務用ミラーの市場規模は数億円ですが、コミーの業務用ミラーは、エアバスやボーイングのようなグローバル企業でも採用されています。

 

このように考えると、この「ブルーアイランド戦略」は、市場が小さく、顧客ニーズが特殊である程、成功する確率が高まる、ということが分ります。

大企業にとって、このような小さい市場は参入するのが難しいだけでなく、参入した後でも、大企業は手広く事業をしていることが多いので専任担当者を置くことが困難で、多くの場合、他製品との兼任になることが多いのです。結果として継続性を持って取り組むことが難しくなり、結果的に成功する可能性は低くなります。

小さな会社ではそれが可能になります。全精力をその小さな市場に集中することができます。

 

さらに、小さな会社よりも個人が取り組むと、もっと小さな特定領域に専任でドップリと集中できます。

ネットが普及して、個人でも様々なことを一人で行うことが可能になりました。例えば、セミナー開催の案内や通知。昔は大変で人手がかかる作業でしたが、今は個人でもメールやWebを使えばとても簡単です。

それでも自分でカバーできない部分(例えばセールス)は、その分野に強い会社や個人と協調して補うことができます。

そうやって、自分は自分だけが強みを提供できる特殊ニーズにフォーカスすることで、「ブルーアイランド戦略」は成功する可能性が高くなります。

 

この場合の課題は、

①いかに自分しか持っていない強みを活かせる「ブルーアイランド」を発見するか?

②そのブルーアイランドでいかに素早く自分の経験値を貯めてノウハウを確立し、後からの参入者と差別化できるようにするか?

③その市場に全面的に依存してしまうので、いかにそのリスクを管理するか?

ということですね。

 

個人にとって、ますます面白い時代になってきた、と感じます。

田坂広志先生が、「プロフェッショナル進化論『個人シンクタンク』の時代が始まる」で提唱されている「個人シンクタンクの時代」が、まさに到来しているのですね。