2012/10/30の日本経済新聞の特集「日経フォーラム世界経営者会議 変化の先に挑む、三井物産社長飯島彰己氏」で、三井物産の飯島社長が以下のように語っておられます。
—(以下、引用)—
我々を取り巻く事業環境は大きく変化し、しかも変化自体が常態化しているため将来の予測が大変難しくなった。激しく変わる時代のニーズに応えるには、業態やビジネスモデルを絶え間なく柔軟に進化させることが欠かせない。混迷する時代を勝ち抜くカギがここにある。私は三井物産社内で「現状維持は破滅」と言っている。
—(以上、引用)—
検索したところ、飯島社長は2012年の年頭所感でも以下のようにおっしゃっていました。
—(以下、引用)—
私は、「現状維持は破滅である」、ということを以前申し上げました。従来のやり方の延長に進化・発展はありません。私たちは、既成概念にとらわれることなく、創造的に現状を否定し、そしてアンテナを高くして、変化の予兆を鋭敏に感じ、それを先取りしていかなければなりません。時代の変化とともに、新たなニーズ、未充足のニーズが私たちの現場にはまだまだあるはずです。
—(以上、引用)—
「現状維持は破滅」というのは、変化が常態化し、「イノベーションのジレンマ」が数年毎にやってくる現代、まさに事実だと思います。
新聞記事では、それを克服するひとつのカギは「人材育成である」と述べておられます。
—(以下、引用)—
更に大切なのが人材の育成だ。人さえ育てておけばどんな変化が起きても進化を続けられる。時代やお客様の真のニーズをとらえるにはそれを肌感覚でつかむのが大切で、その感性は現場経験によって磨かれる。多様な人材がお互い鍛え合える場を提供することが経営の役割と考える。
—(以上、引用)—
3月からスキル開発を担当させていただき、このことは痛感しています。
様々な戦略や施策を考えても、それを実際に実行するのは「人」です。人材が育っていれば戦略も成果は挙げられる。そうでないとなかなか難しい。人材育成は企業のパフォーマンスに掛け算で効いてきます。
しかし、単に座学で1日や数日の研修を受けるだけでは人材は育ちませんし、現場経験だけでも必ずしも十分ではありません。人材が自ら育つ仕組みが必要です。これがなかなか難しい。
即効性のある回答がなかなかありませんが、試行錯誤しながら日々継続することが王道なのかな、と考える日々です。