先日当ブログで書いた「GoogleやAppleが膨大な失敗プロジェクトを続けている理由が分かると、イノベーションが生まれる仕組みが分かる」の続きです。
私は、『「100円のコーラを1000円で売る方法」は、どのような要因でシリーズで50万部も売れたのですか?」というご質問をいただくことが、よくあります。
ご質問に対しては、いくつかの考えられる要因をお答えします。
しかし私が、同じ方法論で次の本を書いても、必ずしも売れるとは限らないでしょう。
それは「100円のコーラを1000円で売る方法」が売れたのは、編集者の方々とのご縁で生まれた数多くのアイデアや、出版社やメディアの皆様の様々なご尽力、市場の状況・ニーズ・タイミングなど、様々なご縁や幸運に恵まれたからだと思います。
私自身も、会社員時代の業務でも、執筆や講演などでも、常にアイデアを試しながら、仮説を立てて検証を繰り返しています。
ある程度の成功パターンはありますが、それでも成功確率は高くありません。
仮説検証を繰り返した中から、お客様などから評価をいただけるいくつかのモノが生まれているのが現実です。
成功事例を分析し、それをさかのぼり、どのように試行され、さらにアイデアがどうだったのかを分析するアプローチがあります。
絵にするとこんな感じです。
しかし、このような分析をして、成功事例を真似てみても、なかなか成功しません。
それは先日のブログでも書きましたように、一つの成功事例の裏には、実は多くの失敗した試行プロジェクトと、膨大な試行しなかったアイデアがあり、成功事例分析だけではこれらのことが分析できないからです。
絵にするとこんな感じです。
喩えてみれば、成魚になった鮭を調べて、稚魚の時はどうだったか、卵はどのような状態だったかを調べて、卵の段階からそれを再現しようとしているようなものですね。
しかし成功事例はこの多くのアイデアや失敗プロジェクトの中から、あえて言うと「いくつものご縁と幸運に恵まれた」プロジェクトが成功している、というのが現実なのではないでしょうか?
それは鮭が生んだ3000個の卵の中から、幸運に恵まれた卵が成魚になるのと同じだと思います。
ですので成功を生み出すためには、成功を生み出すためのプロセスを学ぶことが、恐らく必要なのではないかと思います。
絵にするとこんな感じです。
数多くのアイデアを生み出し、迅速に仮説検証で試行し見極めて、成功を生み出すことが必要なのではないかと思います。
このように考えると、質を究めることも大切ですが、一方で量をこなすことも大切だと思うのです。
私自身、まだまだ未熟ですので、これからも、量をこなして修行し続けたいと思っています。
毎日書き続け、累計2200エントリーを超えたこのブログも、そんな修行の場です。