プリンターのビジネスモデルは、基本的に髭剃りのビジネスモデルと同じです。
髭剃りの場合、髭剃り用剃刀の柄だけを安価で提供し、消耗品である替え刃で儲けます。ジレットモデルと言われています。
プリンターの場合も、プリンター本体は比較的安価に提供し、インクカートリッジやトナーカートリッジで費用を回収することで高収益を実現しています。
ところで私は普段、キヤノンMF4100というレーザープリンターを使っています。そしてトナーがなくなるとトナーを買います。純正トナーは定価8500円。実売5500円程度です。
しかし前回買い換えた際は互換トナーを買いました。1200円でした。実売価格の1/4です。普通にアマゾンで売っているものですが、評価コメントを見ると「全く普通に使える」とのことで買いました。実際に購入して使っていますが、本当に普通に使えています。(ただ、一部には「早く消耗する」「かすれる」という互換トナーもあるようです)
実際この辺りはメーカーと互換機メーカー間で、例えば、特許訴訟したり、保障対象外にしたり、あるいは技術的に保護策を講じたり、という形で色々な争っているようです。
プリンターメーカーからするとトナーで利益を回収することを前提に、本体を安く提供しています。トナーで利益が回収できないと、本体の価格を上げざるを得ません。しかし本体の値段を上げると競合他社とプリンター本体の価格比較をすると割高になります。
思い返せばMF4100の前のプリンターは10年前以上に買いました。純正トナーを2回ほど買い換えましたが、当時の純正トナーは6000円。
3回目に買い換える前にふと考えました。「最新型プリンターを買うとどうなるか?」
当時の最新型だったMF4100は1万円台でした。しかもプリント速度は2倍で両面印刷できて、スキャナーとコピー付き。しかも新品ですから当然トナーは充填されています。
トナーを買い換えるのを辞めて、新品のMF4100を買いました。
ビジネス使用と違って、個人使用の場合はそれほど印刷枚数は多くないのですよね。ですので、トナーを交換する回数もそれほど多くありません。そしてトナーを2-3回交換すると、性能が高い後継機種が安く販売されています。
しかも最近は互換トナーまであります。
個人用プリンターにジレットモデルを適用するのは、ビジネス継続性という観点でかなり悩ましい時期に来ているのではないか、と思いました。