今、足りないもの。それは「パッション」かもしれない


日本企業は、1990年頃までは、マーケティングのテキストに掲載されるような様々なイノベーションを実現してきました。しかしその後のイノベーションはかなり少なくなり、「失われた20年」を過ごしてしまいました。

イノベーションを起こす原動力は何か?

それは「パッション」なのではないか、と思います。

 

最近ブログで書いているコーヒー・ビジネスのことを振り返ってみても、イノベーションを起こしてきた裏には、戦略に加えて、個人の熱いパッションがありました。

ドトール150円コーヒー:「日本人に本格的コーヒーを毎日飲んで欲しい」

UCC缶コーヒー:「缶入りにすれば、どこでもいつでも飲める。流通も簡単」

スタバの再生:「スタバらしさを取り戻す。戦略や戦術ではない。情熱だ」

セブンカフェ:「コーヒー好きの自分が毎日飲みたくなるものを作りたかった」

 

しかしバブル崩壊を経て、リスクに過敏になってしまい、誰もが損得勘定で失敗するリスクを考え、チャレンジを怖れるようになりました。

かつての「バブルの三つの過剰(雇用・設備・債務)」など、様々なやむを得ない面もありました。一方で、パッションなきこと(持たないようにしたこと)が、「失われた20年」を生み出した面もあるのではないかと思います。

アベノミックスでだいぶ景気も上向きになり、明るい雰囲気になってきました。

しかし一時的に景気が回復しても、パッションなきまま、損得勘定だけでビジネスを続けても、継続した成長は望めないかもしれません。

逆にパッションを持ち、失敗を怖れずに挑戦を続ければ、仮に最初はうまく行かなくてもそこから学び続けることで、成功する可能性はどんどん上がります。(セブンカフェの事例のように) 以前からたびたび言われていることですが、社会全体が失敗を許容するようになることもまた、必要なのでしょう。

  

一方でパッションとは、あくまで個人的で、内発的なもの。外部から「さあ、パッション、持ちましょう!」と言われて、持てるものではありません。

「気がついていたら、知らない間に、やる気にすごく火がついていた」というのがパッションの実態なのかもしれません。

 

景気が上向きの今、私たちは今一度、「パッション」の大切さを思い出し、自分や周囲の人が、その火を消さないようにすることが必要なのかな、と思います。