価格には「弾力性」と言われる性質があります。
価格を下げると需要は高まり、価格を上げると需要は減ります。
そこで「価格を下げて需要を高めよう」と考え、品質度外視で価格勝負に陥り、悪循環に陥ってしまう業界も少なくありません。
そこで拙著「100円のコーラを1000円で売る方法」では、「価格を下げずに価値を上げよう」と提唱致しました。
一方で、円安進行で原材料の輸入価格が増えてしまい、値上げをせざるをえない会社が増えています。その結果、顧客の買い控えを招いてしまっているケースも少なくありません。
先にご紹介したように、価格には弾力性がありますので、価格を上げると需要が減るのは必然です。
価格を上げて、なおかつ価値も上げることで、顧客離れを防ぐことができます。
「そんなのは、難しい」と思われるかもしれません。しかしそれを見事に実行したのが、昨年4月の消費税増税の際のセブンの対応です。
消費税増税に価格引き下げで対応して苦戦しているライバルを尻目に、「安くはないけど高品質」を売りにセブンプレミアムの品揃えを強化し、消費税増税後も成長が続いています。
価格を上げつつ顧客離れを防ぐには、結局価値を高める方法しかありません。当たり前のことですね。
そして顧客に対する価値を高めることは、企業として常に努力し続けなければならないことなのだと思います。