お宝は、同じ場所にない


かつて「模倣戦略」という戦略がありました。成功している他社商品の模倣をすることで、商品開発のリスクや開発コストを下げようとする戦略です。

しかし現代は、模倣戦略ではなかなか成功できません。
理由は2つあります。

 

一つ目は、ヒット商品の賞味期限が短くなっていることです。
中小企業研究所の調査によると、ヒット商品のライフサイクルは、1970年代では50%以上が5年以上でした。2000年代になると50%以上が2年以下になりました。2004年の調査なので今はもっと短くなっています。

ヒット商品の成功を見て、「自分もやろう」と商品やサービスを開発して売っても、既にヒット商品の旬が終わっていることも多いのです。

 

二つ目は、顧客のニーズが細分化していることです。
勝つのは、細分化したニーズに最適化した商品です。ここで必要なのが、顧客ニーズに関する知識。これは既に顧客に使ってもらっている先行商品の会社が圧倒的に有利です。

模倣戦略で後から商品を出しても、顧客知識が追いつかないのです。

 

「ヒット商品の賞味期限が短くなっている」「ニーズが細分化している」という2つの理由で、模倣戦略は成功しないのです。
模倣戦略の行く末には、激しい価格勝負のレッドオーシャンが待っています。

 

このように考えると、新規事業は「お宝探し」に似ています。

「お宝を見つけた」という人の話しを聞いて、そのお宝の場所に行っても、既にお宝はありません。

だから学ぶべきは、「お宝の場所」ではありません。
「どうやってそのお宝を見つけたのか?」という戦略の考え方です。

 

新商品開発でも、成功した商品を模倣するのではなく、その商品を成功させた戦略を学ぶべきなのです。その戦略の考え方を自分たちの場合に当てはめて考えれば、自分たちらしい成功を導き出すことが出来るのです。

 

 

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