困った顧客は一発退場。価格を1/4にして急成長のラクサス


月6,800円で高級バッグ使い放題というサービスを提供しているのが、ラクサスです。

いま流行のサブスクリプション(サブスク)モデルですね。

女性にとって高級バッグ選びは一大イベントです。
ヴィトンのような高いバッグだと数十万円の投資です。
買った後に「やっぱりイヤ…」だと、ショックが大きいですよね。
男性には意外なことですが、女性にとってバッグ選びは意外と「苦しみ」があるのです。

そこでラクサスは、返済義務なし・いつでも交換可能にして「バッグを選ぶ苦しみ」から解放しました。お客さんは価格比較サイトなどを見てから申し込んでいるそうです。お得感もあるのですね。

ラクサスの児玉昇司社長は、「返済義務をなくし、選ぶ苦しみから解放するには、サブスクしかなかった」といっています。

ラクサスでは「継続率」を最重要KPIとして見ています。
顧客の継続率は平均90%。9ヶ月以上使い続ける顧客は95%以上。使い続ける顧客ほど継続率が100%に近づきます。使い続けるためには、高い顧客満足度の徹底追求が必要です。そこでバッグの品揃えを強化したり、沢山あるバッグから欲しいバッグが見つかるようにAIでマッチングをしたりしています。

もう1つ大事なポイントが、「クレーマーや困った客は一発退場」ということ。

当初は月29.800円でした。バッグを汚して返却したり、しつこく苦情を言ってくる客への対応のためお金がかかっていました。

しかし実際には、マナーの悪い客は全体の1%だけ。
1%のマナーが悪い客のために、残り99%が割を食っていました。
これって、フェアじゃないですよね。

そこで「クレーマーや困った客は一発退場」というルールを決めて、6,800円を実現しました。実に1/4です。おかげで値ごろ感が出て、顧客も大きな価値が得られるようになりました。

ラクサスの他にも、あえて顧客を選ぶサービスがあります。

私は蔵書をデジタル化するためにBookScanというサービスを使っています。とても重宝していますが、BookScanでも「トラブル防止のための注意事項」として、このような一文が書かれています。

「様々な意見はございますが、弊社では従業員第一主義のもと、お客様のご協力とご理解があってこそ、様々なサービスをベストエフォートでの提供と割り切り、数百円という低価格で実現しております。お客様とのやりとりの中で、注意事項をお読み頂いていない場合や、お客様が当社に求めるクオリティに満足頂けず、今後も当社では改善が見込めない場合、サポートセンターでの暴言や恫喝等があった場合、ミスに対して執拗に謝罪を求める行為や金品・及び追加サービスを要求されるお客様には、誠に勝手ではございますが、お取引を一方的に終了させて頂く場合もございます。あらかじめご了承ください」

いずれもあえて顧客を選ぶことで、サービスレベルを上げています。

お客様は、神様ではありません。
お客様は、大切な人です。

だから、あえて自分で選んで良いのです。

 

 

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