「51歳で全く違う業界」という挑戦


週刊東洋経済2019.11.23号に、今年9月に東京都副知事に就任された宮坂学さんのインタビュー記事が掲載されています。宮坂さんは2012年にヤフー社長就任し、6年間務められた後に昨年退任されました。宮坂さんはインタビューでこう語っておられます。

「今、僕は51歳。せっかくこれだけ平均寿命が延びて、たぶんあと25年くらい働ける。ずっと同じ世界にいてはもったいない。東京都の仕事をしてみると、会う人、行く場所、読む本などが一変した。これはちょっと面白い、非常にチャレンジングだと思えた。」

「何もかもが新鮮で、違う大陸に来た感覚。やりがいがあるし、何よりもすごく面白い」

深く共感しました。

かくいう私も同じ51歳で、29年3ヶ月間勤めたIBMを退職し独立。それまではIT業界にいました。

独立後はIT業界から離れて実に様々な業界のお客様と、マーケティングの講演・研修・執筆を通じてお付き合いをさせていただいてます。食品業、旅行業、製造業、小売業、公益事業、ホテル業、不動産開発業、運送業、保険業、化粧品業、食品卸業、さらに様々な中小企業、等などです。これが実にエキサイティング。

毎日が新しい発見で、実に面白く、勉強になり、楽しんでいます。

これも50代になり、30年間の蓄積があるおかげと思います。

かつては20歳前後から40年間仕事をし、60歳で引退するのが当たり前でした。
しかし人生100年時代。この20年間で、私たちが健康に過ごせる期間は格段に伸びました。
仮に80歳まで働くとすると、仕事をする期間は60年間。

50歳はちょうど折り返し地点。自分の経験を活かしてスイッチするのにいいタイミングなのかもしれません。
「何よりもすごく面白い」と語る宮坂さんのインタビュー、同じ51歳で全く違う業界に足を踏み入れた私も、とても共感します。

とは言え、50歳で全く違う業界に足を踏み入れるのはちょっと勇気が必要です。

宮坂さんの場合、ヤフー社長を退任してZコーポレーションで新規事業として仮想通貨やマイクロモビリティの事業実現のために自治体を回っているうちに、日本で一番大きな自治体である東京都と関わりができ、小池知事から都の参与就任を依頼され、仕事の面白さを実感したのがきっかけだったそうです。

私の場合、30歳の頃から「50歳で独立」と考えながら、勤務先に承認をいただいてブログや執筆を始め、色々な方々とご縁をいただいたことが独立のきっかけでした。

幸い、多くの会社で副業も解禁され始めています。

40代後半になったら、試しにこれまでとはまったく別業界に色々と挑戦してみて、面白かったりうまくいきそうだったら仕事を切り替えるのは、これからのビジネスパーソンにとって有力な選択肢だと思います。

 

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