世界経営者会議(11) 再び1日目:アミトコ ニクラス・ゼンストローム 共同創業者件CEO


世界経営者会議のレポートの続きです。

今回登壇した経営者19名の中には、テクノロジーベンチャーキャピタルの経営者もいました。

アミトコ共同創業者兼CEOのニクラス・ゼンストロームさんは、かつてスカイプを創業した方です。

ニクラスさんの話から、よく語られることが多いシリコンバレー視点とはまた別の視点で、テクノロジーベンチャーの今の姿を知ることが出来ました。

 

■アミトコ ニクラス・ゼンストローム 共同創業者件CEO

なぜアミトコを作ったか?

スカイプはシリコンバレーの外で成功した、当時として非常に数少ないテクノロジーベンチャーになった。

実は2002年、スカイプの資金調達をしようとしたが、誰も資金提供してくれなかった。自分はスウェーデン人で、スカイプは欧州生まれだ。シリコンバレーの外では、このような会社に投資する仕組みは、当時なかったのだ。

この経験により、英国でテクノロジーベンチャーキャピタルのアミトコを創業した。シリコンバレーの外で、財務的インフラを提供するためだ。

現在、10億ドル以上の企業価値があるネット企業の6割以上がシリコンバレーから生まれている。たとえばストックホルムで生まれたSpotify(音楽ストリーミング配信サービス)のように、欧州でも新しい会社が続々生まれている。東京でも同様だ。

 

(日本のベンチャーをどう見ているか、という質問に対して)

昔から日本のモバイルを注目していた。多くの技術が日本にある。かつて日本の起業家は国内市場だけを見ていたが、最近になってグローバルも見るようになった。

日本のSmartNewsにも投資をした。パイオニアだと思う。既にニュースの世界でNo.1だし、海外にも出て行こうとしている。創業者が技術にフォーカスしているし、シンプルなユーザー体験を提供している。多くのスタートアップで、若い有能な人たちが増えるといいと思う。

 

(新しい技術のトレンドはどうか、という質問に対して)

人がその技術自体に気がつかなくなっていく方向にある。(気がつくととても使い勝手がよくなっていて、その裏で最新技術を活用している、というイメージ)

色々な技術の組合せて、モノゴトを単純化していくようになっていく。ソフトウェアだけでなく、ビッグデータやクラウドがある。オンライン・オフラインの境目がなくなる。そしてものすごく効率が上がっていく。

 

【所感】

シリコンバレーのようなインフラも、わずか10年間でグローバル化しつつあります。

日本では渋谷を「ビットバレー」と呼び、ベンチャー企業とベンチャーキャピタルが次々と生まれた時期がありました。同じタイミングで同じことが欧州でも起こっていたのです。

一時期、”The World is Flat”という本が流行りました。実体経済では必ずしもフラット化しておらずむしろ民族主義などの問題が起こっています。しかしテクノロジーベンチャーの世界では、世界のフラット化は急速に進んでいると感じました。

 

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