4月は「私の履歴書」から目が離せません。
今月は、ニトリ創業者の似鳥昭雄さんです。ハラハラさせて、ちょっと失礼かもしれませんが、あまりにも面白すぎます。
最近、日経はまず「私の履歴書」から読むようになりました。
4月1日の連載第1回を読みかえすと、1972年の100店・売上高1000億円という30年計画を2003年に達成、今は3000店/3兆円という次の30年計画へ向けて動いており、成功の秘訣は「ロマンとビジョンを掲げ、他社より5年先をゆく経営を進めてきた結果」と書かれた後に、こんなことが書いていました。
—(以下、引用)—
………こう話すと頭脳明晰(めいせき)な経営者のイメージを与えるかもしれないが、実は逆。飲み込みが悪く、子供の頃はすさまじい劣等生だった。
—(以上、引用)—
「かなり謙遜なさっておられるのだろうな」と思っていたら、実際には本当に凄まじい状況でした。
—(以下、引用)—
……だらしない性格も変わっていない。逆に何もできないから、色々な人の力を借りながら成功できたと思う。家内からは「あなたは人が普通にできることはできないけど、人がやらないことはやるわね」とからかわれる。
—(以上、引用)—
「なるほど。つまり自分で実行せず、マネジメントに徹してきた、ということなのか」と思って読んでいたら、さにあらず。本当にやることなすこと失敗ばかり。苦手な営業から解放されたのも、社交的な奥様と結婚されておかげでした。
—(以下、引用)—
幼少期、青年期はいじめにも遭ったが、忘れっぽい性格も事業には向いていたかもしれない。七転八倒の人生で、今では信じられないような「悪さ」もやらかした。人並みのことができない問題児の若気の至りと受け止めていただければ、幸いである。
—(以上、引用)—
このいじめや悪さも、現代だったら確実に社会問題になっていたであろうという凄いモノです。
「こんなこと書いていて大丈夫だろうか?」と心配になったりしますが、伝わるところによると、実際にはこれでもかなりセーブしておられるようです。
似鳥さんのお話を読んで感じるのは、「他人がやっていないことをやること」の大切さ。
奥様がおっしゃるように、似鳥さんがやっているのは、他人がやろうとしないことばかりです。失敗ばかりしていますが、その中で成功もある。それが結果的に、ブルーオーシャンを開拓しているのかな、と思います。
今月の私の履歴書は、まだ2週間ほど残っています。毎日楽しみにしたいと思います。