世界で話題騒然のウーバー(Uber)。東京都内で乗ってみた


Uber

Uber(ウーバー)というサービス、ご存じでしょうか?
米国で生まれた自動車配車ウェブサイトと配車アプリです。
現在は世界58カ国で展開。普通のタクシー配車に加えて、一般の人が自分の空き時間と自家用車を使い他人を運ぶ仕組みも提供しています。このため米国ではタクシー業界が大きな影響を受けています。

一般の人が自家用車で他人を運ぶサービスは、日本では国交省の「白タク規制」にひっかかります。
実はUberは既に2014年から、「白タク規制」に引っかからない部分でサービスを開始しています。文化放送「オトナカレッジ」でお世話になっている放送作家・鈴木さんに教えていただいて、このことを知りました。

ということで私も先週、Uberを使ってみました。色々な発見がありました。

 

まず、Uberのアプリをスマホにダウンロード。設定は簡単です。メールアドレス、携帯電話番号、氏名、クレジットカード情報を入力します。これで個人が特定でき、自動決済できます。

この日は、東京・赤坂アークヒルズで仕事し、浜松町に移動するためにUberアプリを起動。近くで走っているUber対応の車が表示されます。

TAXI、プレミアムTAXI、ブラックVAN、ハイヤーの4種類別に、利用可能な車がどこにいるのかが地図で表示されます。車も地図上で刻一刻と動いています。このときはブラックVANとハイヤーのみが利用可能でした。5分程度で到着とのことでしたのでブラックVANを指定。車種はトヨタAlphard。ドライバーの氏名と顔、車種とナンバーも表示されます。若いドライバーでした。「この人が来るんだな」と事前にわかるのですね。

すぐに運転手の方から携帯電話に着信があり、待ち合わせ場所を口頭で確認。

アークヒルズ前の待ち合わせ場所で待ちながらスマホでUberのアプリを見ていると、地図上で今どこにその車があるかが表示されます。時間通りに到着し、乗り込みます。

ドライバーとお話しします。

「タクシー会社にお勤めなんですよね?」
「はい。今はUber専属でお客さんを乗せています」
「どの程度のお客さんがいるんでしょう?」
「毎日20件くらいですね。海外の方にとっては便利なようです。自分のスマホで自国語で表示されますし、日本語が話せなくても確実に到着地に着きますからね。お金の受け渡しもないので、安心です。自分の国でUberを使うのとまったく同じ感覚で使えるのがいいようですね」
「なるほど」

そんなことを話しているうちに、浜松町に到着しました。事前登録しているクレジットカード決済なので、ドアが開きそのまま何もせずに降ります。お金のやりとりをせずにそのままタクシーを降りるのはちょっと新鮮な体験ですね。

降車するとタクシーの領収書がメールで届きました。Uberアプリでも履歴が確認できます。プレミアムタクシーなので、実は普通のタクシーと比べると料金は若干高めです。通常1000円程度の料金が1990円でした。評価を付けられるので、最高の★★★★★にしました。

 

このように「白タク規制」がある日本では、タクシー会社だけがUberのサービスを提供しています。海外でタクシー会社でなく一般人がサービスを提供する場合も、基本は同じ仕組みのようです。

乗る立場になると「一般人が運転する車に乗るの?ボッタくられるんじゃないの?」とか、運転する立場になると「どんな客が乗るかわからない。怖い」と思いがちです。しかし顧客と運転手が互いに評価しあい、その評価をオープンに公開することで、事前にどのような人が運転したり乗ったりするかがわかり、未然にトラブルを防いでいるのです。

さらに海外では、自家用車を運転する一般の人が「A地点から、B地点を経由して、C地点に車で移動します。乗りたい人はどうぞ」とネットに登録し、そこに乗りたい人が申し込む仕組みもあるようです。一般人がサービスを提供する場合は当然料金もタクシーと比べて安いですし、手軽に使えるので、今までタクシーを使わなかった新たな顧客を生み出し、需要も創造しているのですね。

Uberによる2015年半期の売上は推定500億米ドル(6兆円)にも達するとのことです。

 

当初、創業者がUberのサービスを思いついたときは、誰もが荒唐無稽なアイデアと言ったのではないでしょうか? しかしこのサービスが今や非常に大規模になっています。同じようなサービスを思いついた人は沢山いたでしょう。しかし実行するのが何よりも大切だということが、このUberの成功からわかります。

さらにこのUberの裏には、挑戦したけれども失敗して消えていった他の方々の膨大なアイデアがあるはずです。

 

「新規事業とは、こんな形で生まれて、育っていくのか」と思った次第です。