「お客様のために」と考えるから、失敗する


困っている人たち

 

「お客様のために、この機能は必要だ」
「お客様のために、これを売りにすればいい」

私たちはよくこのように考え勝ちです。
しかし、このように考えるから失敗するのかもしれません。

かつて私も、実際にそのような経験をしました。

製品開発チームで、「お客様のためにはこの機能は必要だ」と考えて、苦労してある機能を製品に追加しました。営業活動で頑張った末、幸いながら大規模展開をするお客様に購入いただきました。

お客様になぜウチの製品を採用したのか、お伺いする機会がありました。
驚きました。苦労して追加したその機能はほとんど評価されず、オマケで考えていた機能が高く評価されていたのです。

「お客様のために」と考えて苦労して追加した機能は、多くのお客様ではそれほど必要としていなかったのです。

本来、実際にどの程度お客様がその問題を切実に解決したいと思っているか、確認した上で、開発に入るべきでした。

 

「お客様のために」という考え方は、危険なのです。お客様に対して、押しつけているのです。
「お客様の立場になりきって」考えるべきなのです。

一見同じように見えますが、実はとても大きな違いがあります。

「お客様のために」という考え方は、お客様に一方的に押しつけている考え方です。だから相手にされません。

お客様の立場で、

→ 本当に「お客様のために」必要と考えたその商品は必要なのか?
→ 本当に、それでお客様の課題は解決できるのか?
→ もしかしたら、お客様の立場ではもっと必要なものがあるのではないか?

私たちはもっともっと謙虚に考えなければいけないのです。

 

 
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