東京マラソン挑戦を止めたのは「目的と目標の矛盾」だった


とても熱心にジョギングを続けている友人がいました。
彼は「東京マラソンで4時間を切る」と公言し、毎月200Kmのノルマを1年間継続していました。

その彼が急に、「マラソン挑戦は止めた」と言い始めました。体調が悪くなったのかと心配しましたが、いたって健康です。相変わらずジョギングも続けていますが、ホドホドに留めているようです。そんな彼と話す機会がありました。

「『4時間切る』と言っていたのに、なんでまた?」
「きっかけがあってさ。目標を変えたんだよ」

彼が見せてくれたのが、ある雑誌記事。こんなことが書いていました。

・マラソンでは、「長い距離を走ると自信に繋がる」と、体調不良でも頑張り勝ちだ
・しかし「あと少し」と頑張りすぎて心臓に負担がかかり、マラソン大会で死亡するケースもある
・米国の研究で1週間48Km以上走る人は、それ以下しか走らない人と比べ、心臓病のリスクが上がる
・ジョギングは生活習慣病改善にはよい。しかし中高年になって始めたマラソンには、リスクもある

「確かに200Km走るようになって肌の張りがなくなってきたんだよね。距離を半分にしたら元に戻った。『過ぎたるは及ばざるがごとし』っていうし、何ごともやり過ぎずホドホドがいいのかもしれない。余裕でフルマラソンを走れる人はいいんだろうけど、自分にはちょっとムリな目標だったんだろうね」

毎年申し込んでいた東京マラソンもやめて、マイペースでジョギングをする日々だそうです。

 

話を聞いて、なるほどと思いました。

彼は『東京マラソン4時間完走』を目標にジョギングを続けていました。
しかしそもそも彼がジョギングを始めた目的は、『年齢を重ねても、現役で仕事を続ける体力をつけること』でした。
彼の場合はこの目的と「フルマラソン4時間完走」という目標は、実は矛盾していたことに気がついたということですね。

一方で東京マラソンに向けて熱心に挑戦を続けている友人たちもいます。人はそれぞれです。彼らは彼らの目的と目標があるわけで、応援したいと思います。

その目的は、正しいか?
その目標は、その目的を実現するために、正しいか?

友人の話を聞いて、これはビジネスでも常に考えなければいけない、と改めて思いました。

 

 

■当コラムは、毎週メルマガでお届けしています。ご登録はこちらへ。

Facebookページで「いいね」すると、さらに色々な情報がご覧になれます。