若い人の芽を育てるには、許容量を決める


朝活勉強会「永井塾」で仮説検証の考え方をお話しした後、こんなご質問をいただきました。

仮説づくりについて、質問です。自分はマネージャーですが、「若い人に余計なことをいうと、可能性の芽を摘んでしまうのではないか」と思っています。その辺りの「さじ加減」は、どのように考えればいいのでしょうか?

おっしゃる通りで、「経験が少ない」ことは必ずしも悪いことばかりではありません。

確かに経験が少ないと、経験者にとっては既知の落とし穴が見えず、失敗を重ねることもあります。
しかし経験が少ないからこそ、先入観に囚われず、斬新な発想で新しいことを始めることもできます。

ザッカーバーグが大学在学中に「女子生徒のランク付けサイト」を作り総スカンを受けて閉鎖し、そこから学んでFacebookの原型を作ったのも、江副浩正さんが東京大学在学中に「就職希望者と企業を広告で結びつけられないか?」と考えてリクルートを創業したのも、未経験だったからです。

既に過去の経験を蓄積した人にとっては、「それはダメでしょ」と思うことでも、時代が変わり大きな可能性があることが多いもの。一方で、既に失敗がわかっていることは事前に教えてあげたい。この狭間で悩んでいるマネージャーは少なくありません。

この方は、そのことを踏まえた上での質問です。

 

私は、1つの方法は「許容範囲を決めること」だと思います。たとえば、

「これだけの予算の範囲なら、自由に使っていいよ」
「いついつまでに、成果を出してね」

という感じです。

ある経営者に仮説検証をどのように実践しているかをインタビューした際に、こうおっしゃっていました。

「僕から見て『6割は間違っているな』と思っていても、本人が『6割は正しい』と思っていたら、『やらせよう』と判断します。チャレンジさせないと本人の成長はないからです」

この経営者はこの人なりの「許容範囲」を決めて、社員に任せています。

マネージャーの役割は、チームメンバーの力を増幅させ、組織として大きな力にすること。がんじがらめに管理すると、マネージャー個人の器以上のモノが出てこなくなります。

そのポイントの1つが、「許容範囲を決める」ことだと思います。

 

 

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