あなたの「弱み」は、「強み」になる


 

ワークショップ後、こんな質問をいただきました。

『「強みを考えよう」ということですけど…。自分の弱みは沢山見つかるのに、強みなんて見つかりません。どのように考えればいいんですか?』

確かに「自分の強みガ見つからない」という人、とても多いのですよね。
実は強みと弱みは表裏一体です。どちらもあなたが持つ「資質」が生み出しています。

たとえば私は、事実に即して考えないと、どうもムズムズします。これが私の資質のようです。

マーケティング戦略を考える際には、現実的に考えますし、筋が悪い戦略に出会うと「この戦略の問題点は、コレ」、よい戦略に出会うと「この戦略はここが素晴らしい」と割とすぐに気がつきます。これは「事実に即して考えないとムズムズする」という資質が「強み」になった例です。

一方で若い頃は、この資質が弱みになっていました。

私は新卒で、日本IBMの製品開発研究所に配属になりました。研究所は機密保持のためにセキュリティ管理が厳重で、入口には守衛がいて社員証を一人一人チェックし、ドアというドアにはセキュリティバッジがないと入れないようになっていました。

入社数ヶ月後、地方の営業所に営業実習に行きました。研究所と違い、営業所は出入り自由。そこで営業実習日誌にこう書きました。

『今日、気がついたこと。営業所では、セキュリティ管理をしていない」

営業実習日誌は、営業所や所属部門の課長がチェックします。営業所の課長は「そんなことはない!」とやや怒りのコメント。数日後、私の上司から電話があり、「永井さん、ああいうことは書くものではないよ」。でも私はこう答えました。

「え?だってセキュリティ管理をしていないのは、事実ですけど」

これは「事実に即して考えないとムズムズする」という資質が「弱み」になっている例ですね。ちなみに「気配り」という言葉を覚えたのは、それからしばらく経ってからのこと。社会人としてはちょっと遅めでした。

資質を悪い面から見ると「弱み」になり、よい面から見ると「強み」になります。

ちょうど「火」の良い点が「ものを温める」、悪い点が「火事の原因になる」というのと同じで、本質的に人の資質は性質であり、「いい」も「悪い」もありません。

せっかくならば自分の資質に向き合い、「強み」を引き出したいものですね。

 

 

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