ある登山者二人が山を登っていたら、熊に出くわしました。
相手は凶暴なグリズリー熊。獲物の二人を見つけると、徐々に速度を上げて、こちらに向かってきました。
一人はすぐにリュックを降ろし、ハイキングシューズを脱いで、ランニングシューズに履き替えました。
それを見て、もう一人が言いました。
「何しているの?熊はキミよりずっと速いよ」
すると彼は靴を履き替える手を止めずに、答えました。
「熊よりも速く走る必要はないよ。キミより速く走れればいいんだからさ」
これは、MITのジョン・D・C・リトル教授が1984年に論文で紹介した逸話です。
このちょっとブラックな逸話は、競争について大切なことを教えてくれます。
競争に勝つか負けるかは、ほんの半歩の差で決まります。
ちょうど登山靴のままそこから駆け出すように、とりあえずその場で必死に頑張るのも、一つの方法です。
しかしリュックを降ろしランニングシューズに履き替えたように、ちょっと知恵を出し、相手に半歩先んずれば、消耗戦を避けて、競争に勝てるのです。
どうすれば相手に半歩先んずることができるか?
常に考えたいものです。
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