「組織が変わらない」という経営者の悩み。どう応えるか?


 

経営者の方々からよくこんなお悩みを伺います。

「組織を変えようとしているんですけどね。なかなか変わらないんですよ」

一社員から見ると「トップだから組織なんて自由に変えられるでしょ」と思いがちですよね。かくいう私も若い頃はそう思っていました。しかし現実には、組織はトップの一存ではなかなか変わらないのです。

たとえばトップが「もっと外に出てお客様から学ぼうよ!」と言っても、部下はなかなかそのように行動しません。

組織文化が障害になるのです。
組織文化とは、社員一人一人が仕事で経験してきた「成功体験」が作り出したものです。

 

たとえば大量生産・大量販売の時代は、お客様に会わずに研究所で商品の性能を高めて売り出せば、売れました。これが「成功体験」です。
しかし今や性能を高めるだけではダメです。
お客様が「これ欲しい」と思わなければ、売れません。
性能を高めるだけでは「これ欲しい」と思ってくれないのです。
ですのでお客様の現場に出て、お客様を観察して学び、どうすれば潜在的なニーズを捉えられるかを考えることが必要になります。

 

しかし組織の社員は、「研究所で商品性能を高めれば売れる」という「成功体験」を持っています。組織の色々なルールも、この成功体験を元に作られています。
多くの場合、トップはこんな状況に危機感を感じます。
そこで「もっと外に出て、お客様から学ぼう」と言うわけです。
しかし組織全体が「研究所内で商品性能を高める」という成功体験に最適化されていて、社員一人一人も「それが正しい」と腹の底から信じているので、なかなか行動を変えられないのです。

 

ではどうすればいいのか?

組織文化は「成功体験」が創り出しています。
組織文化は時に足かせになりますが、一方では見えない企業の強みも生み出しています。
ですので組織文化を否定し破壊するのは危険です。

一方でどんな組織にも危機感を持つ人は少数ながらいます。
その人たちで新しい挑戦を行い、成果を生み出し、徐々に広げていくことです。

そして新しい成功体験を蓄積し続け、今の組織文化を少しずつ変えていくことです。

 

高速で航行する大型タンカーが舵を切ると、最初は直進し続けます。
しかし舵を切り続ければ、徐々に進路は変わっていきます。これと同じことです。

まず少人数で危機感を共有。
そして具体的な行動で、小さな成果を出す。
そして、徐々に広げていく。

これをひたすら継続し続けることで、組織文化は徐々に変わっていくのです。

 

 

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