読書を通して、成功ノウハウを学ぶコツ


最近、投資術の本が流行っていますね。「FXで億り人」とか「1年で1億円貯める方法」といったタイトルも間立ちます。

こうした本の多くは、ご自身で成功したノウハウを誠実に公開しておられます。ただ問題は、成功の再現性がないことが少なくないことです。

そういった方々は、その人の資質や市場のタイミングのおかげで成功していたりします。つまり運の要素が大きいわけです。しかし読者は、必ずしも同じ資質やタイミングに恵まれている訳ではありません。

つまりこういった本が披露する成功術は、あくまでその人の自己流です。この結果、その成功ノウハウを真似て同じことをしても、失敗することも多いのです。(ただ確率的に成功する方も少数おられるでしょう。)

ビジネス書の世界では、まったく別の分野 ── たとえば英語(「こうするとTOEIC満点」)、プレゼン、マーケティング、営業、経営 ── でも似たような本があふれています。

こういった本も、著者はご自身の成功ノウハウを惜しげもなくお披露目しておられます。誠実な姿勢だと思います。しかしその成功ノウハウを、他人がやっても上手くいくとは限りません。この理由は、冒頭の投資術の本で書いた通りです。

個人が体験した成功ノウハウの紹介が、悪いわけではありません。そういったノウハウは貴重ですし、私も大いに学ばせていただくことがあります。

重要なのは、成功ノウハウに普遍性を持たせることだと思います。

個人が経験出来ることは、どうしても量的な限界があります。森羅万象、あらゆることを経験するのは時間的にもムリです。

ですので個人の体験だけに基づいて書かれている成功ノウハウは、結局、その人だけに有効な成功ノウハウとして理解するべきです。

必要なのは、その本に理論的な裏付けがあるかを検証することです。できれば著者独自の理論ではなく、既に確立されている複数の理論に基づいていることです。

拙著「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズや「MBA 50冊」シリーズは、自分自身や他の方々の成功事例をもとに、こうした理論的な裏付けをすることで執筆してきました。

おかげさまで「役に立った」という読者からの声を多くいただきました。「ビジネスパーソンのビジネス力向上」のために執筆活動を続けていますので、これからもお役に立てる本を執筆していきたいと思います。

11月末にも、新たな本を上梓する予定です。間もなくご案内しますので、よろしくお願いいたします。

   

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