第25回朝カフェは、大木さんの「零細ベンチャーの出版マーケティング」 でした #asacafestudy


昨日開催した第25回朝カフェ次世代研究会は、大木豊成さんの「零細ベンチャーの出版マーケティング」 でした。

既に5冊も本を出版されている大木さん。5-6年前に初めてお会いした頃は初めてのご本「ファシリテーターの道具箱」を共著で出版され、その後お一人で「ソフトバンク流 超速断の仕事術」を出版。昨年から急加速して立て続けに3冊を出版されています。

 

お話しは、以前、私が大木さんに出版について教えていただいたことが随所に入っていて、網羅的に体系化されており、とても分かりやすい内容でした。

参考までに、私は昨年、大木さんにビジネスパーソンの出版戦略についてインタビューさせていただき、ブログ記事にしました。併せてご覧いただくと、理解が進むかもしれません。

■2010/8/15 ビジネスパーソンの出版戦略:大木豊成さんインタビュー(その1)「企画に3ヶ月かけた2冊目の本」

■2010/8/16 ビジネスパーソンの出版戦略:大木豊成さんインタビュー(その2)「実名ブログを書くと、出版する力がつけられる」

■2010/8/17 ビジネスパーソンの出版戦略:大木豊成さんインタビュー(その3)「企画書を書こう!」

 

今回のテーマは、このインタビューの時からさらに進化し、「ベンチャー経営者にとって、出版はどのような意味があるか?」

知名度がないベンチャーにとって出版は、市場、潜在顧客、取引先等へのコミュニケーションする際の強力な手段にもなります。

ただ留意すべきは、出版社は、出版がビジネスであること。(当たり前のことですね)

ですので、

①出版社にとって売れる内容で、
②ベンチャー経営者にとってもメリット(見込み客や取引先に自社の強みを訴求できる、等)があり、かつ、
③読者にとってもコンテンツが価値がある

という着地点が見つかれば、まさに大木さんがおっしゃっていた「零細ベンチャーの出版マーケティング」のWin-Win関係が成立することになります。

逆に出版社から強い要望があったとしても、自社のビジネスにならなければ、経営者の立場として書かない、というのが大木さんの立場でした。投資時間に見合ったメリットがないからです。なるほど、と思いました。

これが個人での出版になると、「自社のビジネス」という判断基準はずっと弱くなります。例えば私の場合、写真関係の執筆依頼や写真集出版のお話しが来たら、自分の仕事(ソフトウェア会社のマーケティング)とはまったく関係がありませんが、多分すぐお受けすると思います。個人であれば、趣味の世界の延長として成立するのですよね。(もちろん、コンテンツが出版社や読者にとって価値があることが大前提ですが)

他にも参考になることが沢山ありました。

例えば、「周りからは、印税をもらって、給与以外でもうけていると思われがちだが、実態はまったく違う。印税が意外と少ないということは意外と知られていない」という点。

これはおっしゃる通りですね。

私の場合今まで4冊の本を出しました。うち2冊は自費出版のため未だに投資が改修できず数十万円の赤字。出版社から出版する場合も、執筆にかけた時間から考えると、初版については同じ時間マックでバイトした方が実入りが良かったりします。増刷するかどうかは売行き次第です。

また、「長年ブログを書いているが、ブログからは出版の打診はない。しかし仕事をしている相手がブログを読んでいることはある。ブログだけでは完結しない。リアルな世界が必要」という話もありました。

私もブログ経由で出版や記事執筆の依頼をいただくことはほとんどないので、これは私も実感します。

もちろん、オルタナブロガー仲間の中には、「ブログを書いていたら、出版の話が来た」という方々がおられます。もちろんそういう方々は素晴らしいコンテンツをお持ちなのですが、実際には多数派ではないと思います。

 

大木さんのご講演は、出版に関する様々な考えをうまく整理する機会になりました。

大木さん、ありがとうございました。

TwitterのつぶやきもTogetterでまとめました。

次回、10/26開催の第26回の「朝カフェ次世代研究会」は、川上暁生さんの「戦略と戦術」です。モデルケースで体験できるワークショップだそうです。楽しみです。