会社員時代、ほとんど残業しなかった理由


私は日本IBMに勤務していた会社員時代、40代前半までは「いやぁ、ゆうべは夜12時過ぎまで会社で仕事をしていてさぁ…」というような、典型的な残業自慢をするタイプでした。

しかし40代後半になって大きく変わり、残業ゼロになりました。

当時の私は仕事も責任範囲も増える一方でしたが、残業ゼロで乗り切れた理由は、早朝に行う仕事が、疲れた頭で夜に残業するのと比べると、6倍の生産性だったことがわかったからです。朝シフトを始めた40代中頃以降、仕事の生産性は大きく向上しました。

こんな私の体験を耳にされた中経出版さんとのご縁で、6年前に「残業3時間を朝30分で片づける仕事術」という本を書きました。

「100円のコーラを1000円で売る方法」を出版する半年前のことでした。

 

当時は5:00AM起床。家を5:50AMに出て、毎朝7:00に出社していました。殺人的に混雑している満員電車は避け、電車にゆっくり座りたいために早朝出社していたのですが、実は朝の仕事の効率はとてもよかったのです。

 

 

その後、2013年7月に日本IBMを退職して独立。会社への電車通勤はなくなりましたが、相変わらず私は早朝から仕事をしています。

仕事内容は会社員時代とはだいぶ変わりました。会社員時代は、事業戦略や人材育成戦略の策定、チームによる戦略の実践と進捗管理、さらにマネージャーとしてチームのマネジメントが主な仕事でした。独立後は、文章を書いたり、講演準備と講演、さらに自分の会社のマネジメントが主な仕事になりました。アイデアを出す比率は、独立後の方がやや増えている感じです。

このアイデアを出す仕事は、まさに生産性が6倍の早朝から昼にかけて行うのが最適なのです。

 

世の中は、6年前に本書を出した頃からだいぶ変わりました。
6年前は、残業削減に取り組む企業は、トリンプや無印良品など、数える程でした。「仕事は時間をかけて行うものだ」という考え方が世の常識で、「私、残業しない主義です」というと「ちょっと変わったヤツだな」という感じで見られました。

しかし今や政府主導で進めている「働き方改革」では、長時間労働是正に大きな焦点が当たっています。伊藤忠、SCSK、日本電産など、全社をあげて本格的に残業削減に取り組む企業も増えてきました。残業しないことは世の中で評価されつつあるように感じます。

日本人は過労死が社会問題になるほど働いているのに、世界全体で見ると、労働生産性はOECD加盟諸国35ヶ国中22番目です。この数十年間、ずっと下位に甘んじています。少子高齢化で働き手が減っていく日本では、「仕事は時間をかけて行うもの」という常識を乗り越え、残業ゼロを実現して生産性向上を図ることが急務です。

 

残業ゼロを実現し、ビジネスパーソンの生産性向上を実現する朝シフトは、ますます世の中で求められてきているように感じています。

 

 

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