新型コロナでデジタル・シフトが一気に進んだことは、私たちが実感していることだと思います。
私の場合、昨年オンライン会議での打ち合わせは限定したお客様のみで、1年間で数回程度。
今年3月以降は、全ての打ち合わせが一気にオンラインに変わりました。
米マイクロソフトの4月29日決算発表で、サティア・ナデラCEOは「2年分のデジタル変革が2カ月で起きた」と述べています。
実際にMicrosoft Teamsの利用者は5カ月前と比べて4倍に増えました。
オンライン会議だけではありません。
新型コロナで生まれた新需要の多くは、デジタルが関わっています。在宅ワーカーのための健康管理ツール、急に忙しくなった食料品店のための自動発注システム、医療施設のための業務向け清掃ロボット、休業が続くライブハウスや居酒屋、レストランのためのクラウドファンディング、小売をサポートするライブコマースなど、ウーバーイーツや出前館などなど。
様々な分野でデジタルシフトが一気に進みました。
これは技術が進化したためではありません。技術は前からありました。
変わったのは、私たちの危機意識と行動です。
これまで多くの企業でデジタルシフトをしようとすると、「確かに効率はよくなるかもしれないが、現実には○○○だから、今はできない」というもっともらしい言い訳で、先送りされてきました。
新型コロナでそんな言い訳が全て吹っ飛びました。
要は私たちは「やろうと思えば出来るじゃん」と気がついたのです。
デジタル・シフトで自宅から様々なことができるようになって、効率が上がり楽になったことを実感した人も多いのではないでしょうか?
しかし問題はこの後です。
「でもやっぱり昔のやり方の方がいい」といって元に戻そうとする動きが出てきます。
しかし日本は既に、世界全体で見てかなりのデジタル後進国です。
「全国民の名寄せ」という基本的なことすら、出来ていません。
だから給付金も、膨大な人海戦術に頼らざるを得ません。
そして「諸外国と比べて支援に時間がかかりすぎる」と政府に文句をいう人が、マイナンバー制度に大反対していたりします。
デジタル後進国を生み出しているのは、実は変わろうとしない私たちなのかもしれません。
たかがデジタルと思いがちですが、今や私たちの生活にも関わっており、国の競争力も左右しているのです。
明治維新、第二次世界大戦終戦と、日本は常に外圧で変わってきた歴史があります。
新型コロナを期に本当に日本が変われるかは、これから数ヶ月にかかっていると思います。
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