多くの起業家は一番乗りを目指します。しかし「これは間違い」という研究があります。
組織心理学者のアダム・グラントは著書「ORIGINALS」で、マーケティング研究者ピーター・ゴールダーとジェラルド・テリスが「先発企業」と「後発企業」を比較した研究を紹介しています。
彼らが30以上のカテゴリーで数百のブランドを分析した結果はこうなりました。
■先発企業は、失敗率が6倍
先発企業…47%
後発企業…8%
■生き残った場合、後発企業の市場占有率は3倍近い
先発企業…10%
後発企業…28%
なんと先発企業は失敗率が後発企業よりも6倍高い上に、生き残ってもシェアも1/3に留まります。
先発企業でも、iPhoneのように大成功することもあります。「iPhoneは大成功した。だから一番乗りがいいんだ」と思いがちです。しかしこの研究が示しているのは、「市場全体を見た場合、確率的に言うと後発の方が圧倒的に有利」ということです。
先発者は未知の分野ですべてを自分で試行錯誤して学ぶ必要がある上に、市場参入時期が早すぎると失敗します。リスクは非常に高いのです。対して後発企業は先発者が試行錯誤した結果を学べます。タイミングも見計らえます。Googleもネット検索で13番目の後発でした。
一番乗りにこだわりすぎると、失敗するということです。
要は「顧客が求めるベスト・タイミングで、他よりも優れていればいい」のです。
「既に先発企業がいるから、この市場は諦めよう」と早々に結論を出さずに、じっくりとその市場を観察することが必要なのです。
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