
新しいプロジェクトを始める場合、多くの組織はこうやりがちです。
・成功事例を真似る
・全員の合意を取ろうとする
・場合によっては、外部の優秀なコンサルタントに任せる
これらは全部ダメです。
どこかで見たようなモノばかりになるからです。
まず成功事例を真似ても、同じように成功することはありません。
私は売れた本を真似されたことがよくありますが、どれもあまり売れていないようです。
そのままパクったつもりでも、オリジナルでは目に見えない部分に秘密のレシピがあったりするので、完璧な模倣はムリ。劣化版コピーにしかなりません。
「真似は悪い」ということではありません。真似することで、先行者の失敗から学べますし、学習コストも不確実性も減らせます。しかし単なる真似では、独自の価値を出せません。結果、価格競争になります。
真似をするのなら、オリジナルの本質を考えた「創造的模倣」をすべきです。
セブンが米国のコンビニエンスストアの仕組みを参考にして、日本市場に合わせて試行錯誤して考えながら、独自のコンビニエンスストアの仕組みをつくりだしたのが、創造的模倣です。
盲目的に真似するのではありません。頭を使うことです。
全員の合意を取るのも問題です。
新しいことは、必ずリスクを伴います。リスクと成功は、コインの裏表。全員の合意を取ろうとすると、リスクが低いものしか選べません。結果、大きな成功はありません。
また外部のコンサルタントは、素晴らしい案を出してくれますが、実際にプロジェクトを進めて事業化するのは、組織にいる人たちです。この人たちが自分ごとで考えない限り、プロジェクトは成功しません。
必要なのは個人の情熱です。
ほとんどのプロジェクトは、想定通りにすんなりいきません。人生同様、山あり谷あり。そんな厳しいプロジェクトを乗り切る上で必要なのは、プロジェクトを進める人の覚悟です。
覚悟は、自分の情熱から生まれます。
情熱を持って、リスクを取って新しいことに挑戦するから、難しい状況も乗り越えられるのです。
どこかで見たことがあるようなものを作っても面白くないですし、「他の誰かが言った通りやろう」ということでは覚悟なんてできません。
「何があっても、これをやりたい」という個人の情熱や想いが、新しいプロジェクトの原動力です。
組織がやるべきことは、そうした個人が、自分の情熱を実現するのを支援することです。
当然ながらリスクがあるので、失敗もあります。
しかし貴重な学びも得られます。
その学びは、次の挑戦で活かせます。
こうして挑戦を繰り返すことで、より大きな成功をたぐり寄せられるようになるのです。
だから組織に必要なことは、新しいことにリスクを取って挑戦しようとする個人の気持ちを尊重し、後押しすること。そして挑戦した結果の失敗は、許容することです。
人事評価も変える必要があります。
「失敗したら減点」という減点主義ではなく、「失敗は問わない。新しい学びを得たり、うまくいけば加点」という加点主義で評価します。
ある程度の人数がいる組織では、秘かに「これをやりたい」と思っている人がかならず一定数いるはずです。
組織は、そうした人の想いをすくい取って、実現の後押しをすることが必要だと思います。
■当コラムは、毎週メルマガでお届けしています。ご登録はこちらへ。