マーケティングを担当する人は、脱・会社人間を目指すべきなのかもしれません。
本日の日経プラスワン「私のビジネステク 会社人間になるな②」で、バンダイ社長の上野和典さんのお話が載っています。マーケティングとしてお客様の声を製品開発に反映する観点で参考になりますので、ご紹介します。
—以下、記事より抜粋—
- 会社に就業時間後も意味なく長くいたり、自宅に早く帰っても頭が会社の会議で出た話題に凝り固まっていたりしたら、ユーザー側の視点に立つことは無理
- ユーザー目線の基本は、自分の三人の息子。自信満々に玩具の試作機を持ち帰ったところ、息子に「つまらない」と批判されることもしばしば。自分が企画した玩具のうち、息子に不評のため、製造・販売を取りやめたケースは少なくない
- 「ゲゲゲの鬼太郎」の人形とその家の商品化は、息子の声に耳を傾けて成功した。「市場がない」と反対する意見も社内に根強かったが、自宅に持ち帰った試作品で熱心に遊ぶ息子達を見て売れると確信した。案の定、ヒット商品になった。詳細データより信頼すべきものがあるということだ。
—以上、記事より抜粋—
マーケッターとして含蓄の深い言葉ですね。
これは決してデータを軽視してよい、ということではないと思います。むしろ、データを徹底的に検証した上で、さらにその先にある知見をどうやって得るか、というように捉えるべきなのでしょう。
また、息子さん達に不評だから単純に製造・販売を取り止める、という判断もなさっていないと思います。恐らく予め仮説を立てた上で、息子さん達に試作品を見せて、その反応を見ることでご自分の仮説を検証されているのではないでしょか?
この事例は消費者向け市場ですが、
- 「会社の中の論理に縛られない」
- 「数字は押さえるが、数字の呪縛に囚われない」
- 「実際にお客様の反応を見て仮説検証する」
ということは、IT業界が主に対象としている法人向け市場でも全く同様であると思います。