フラット化する世界は、よりローカル志向が求められる世界のようです。
7月28日のフジサンケイビジネスアイ『インサイト チャイナ 特異な消費行動 人に見られるブランドに出費』という記事で、米広告代理店最大手の中国法人社長とのインタビュー記事が掲載されています。
—以下、記事より抜粋—
- 中国の消費者は欧米や日本と異なる購買行動を示す。市場開拓にはそれに見合うマーケティングと広告の手法が必要
- 特徴的な行動は『平等主義的なものは受け入れない』。ブランド品など高額商品は『パブリックディスプレー』すなわち他人に誇示するためのもの。自分のアイデンティティーを示すブランドの商品を求めており、この点は実は日本企業に不利である
- 具体的には、家庭で使う掃除機・洗濯機・AV等、外に見えないものや持ち歩かないものは、中国の安い製品で十分と考える
- 消費者意識も違う。ダイヤモンドは、日本の女性なら所有しているダイヤをたくさん毎日身に着けて歩く人は少ないが、中国は違う
- 日本の広告代理店は中国でも東京本社の支店として考え、多くの日本企業が日本や欧米での成功モデルを中国に持ち込み、中国市場での独自戦略をとらない。このため日本企業は中国の消費市場の開拓で出遅れている
- 38歳以下の年齢層がブランド需要を牽引する。急速に国際化も進む。自分の子供によってメンツを保つ考えであり、両親の夢の運搬人として『ブランドとしての子供』への投資が進む。
—以上、記事より抜粋—
言うまでもなく全ての国や人種が固有の文化を持っています。マーケティング戦略を立てて、キャンペーンを実施する場合、それぞれの文化への理解は必須です。
この記事を読み、世界のフラット化が進展するにつれて、逆にローカルな文化への理解がますます重要になってきていると再認識しました。
今後、マーケッターは、比較文化的な視点を磨いていく必要がありそうです。
興味深く拝見しました。
上海で、マーケティング会社をやっているのですが、今までのところこのような流れにあるのは確かですが。
今年に入って、フラット化の流れがより強くなりつつあるように思います。
日本企業の苦戦が伝えられる中国市場ですが、むしろこれからが日本企業の強みを発揮できる勝負のステージだと思います。
特に中産階級には一通りものがゆきわたっておりますので、付加価値勝負だと中国でも騒がれている現在、いよいよサービスやちょっと便利といった日本の得意な部分がクローズアップされるようになります。
miyamasa12さん、
上海でマーケティングをなさっておられるということで、実際に中国の方々と日本との違いや、そこでの日本の強みは肌で感じておられることと思います。貴重なコメントをいただき、ありがとうございました。
いただいたコメントを拝見すると、中国の特に中産階級の方々が、現代の日本の消費者の感覚に近づいてきている、という印象を受けましたが、実際のところはいかがでしょうか?
そうですね
沿海部に限って言えば中産階級は既に日本人にもそれほど違和感なく理解できるレベルに達してきていると思います。
あまりに地域差があるので、単純に「中国は・・・」というのは無理なのですが、蒸気で調理する電子レンジとか、空気で洗う洗濯機等を欲しがる方は相当数いるのは確かです。
miyamasa12さん、
確かに中国をまとまった一つの国として考えるのは無理があるようですね。例えば、「沿海部の中産階級」といったようなセグメントで分けて考える必要があるのですね。
どうもありがとうございました。