私は入社3年目の頃、主に社内調整を行う部門にいました。社内の様々な部門が関係する社内プロセスを整備した上で、各部門にガイドを作るのが主な仕事でした。
私は、この時の上司から、ビジネス文書の書き方や、プレゼン資料の作成のポイント等を徹底的に鍛えられました。
この方はいつもマネージメントに対して非常に分かり易いプレゼンを行うことで定評がありましたが、ある日、この上司がプレゼンのコツを教えてくれました。
「大事なプレゼンの前の日は、ウチのカミさん相手にプレゼンの練習をするんだよ。ウチのカミさん、コンピュータやビジネスのことは何もわからないんだ。そんなカミさんが理解できる内容だったら、マネージメントも理解できるだろ?」
まだ若かったこの頃、「マネージメントにはもっと高度な内容のモノを話すべきなんじゃないか?」「こう言っては失礼だが、経営陣に対して家庭の主婦が理解できる程度の内容で話してもいいのか?」と思いました。
しかし、今は彼の言いたかったポイントがよく分かります。
彼は、「誰にでも分かる、ロジックのシンプルさが必要である」ということを言いたかったのです。
ビジネスの複雑な状況を複雑なまま説明するのは、ある程度の理解力があれば、時間をかければ誰にでもできます。
しかし、複雑な状況を一旦理解し、それを咀嚼した上で、誰でも納得できるシンプルで明快なロジックにまとめ上げるには、高い力量が必要になります。
しかも相手のマネージメントは、様々な問題を同時並行的に処理しており、非常に多忙です。複雑な状況を複雑なまま説明しても、必ずしも理解してくれるとは限りません。
マネージメントにプレゼンテーションする目的は「こちらが期待するアクションをとって欲しい」という点に尽きます。従って、マネージメントが理解できないプレゼンテーションは、いかに複雑な状況を正確に説明したとしても、まったく無意味です。
マネージメントに対して、シンプルなロジックを準備した上で説明することで、マネージメントも、求められているアクションが妥当なものなのか判断可能になります。
さらに、マネージメントの頭の中で彼らが抱えている他の問題との位置づけも明確になり、マネージメントから的確なアドバイスも引き出すことも可能です。
この方は、既に鬼籍に入っておられますが、ビジネスマンとしての基礎体力を付けていただきました。大変感謝しています。
おっしゃる通りですね。時間の無いマネジメント層には、極力簡潔なプレゼンを行うべきです。
加えて言えば、どの情報も「概要」「詳細」の最低2段階のレベルを設けて置けば、概要だけ説明して興味のありそうなところを重点的に詳細レベルで説明するというアプローチができますね。
いわゆる「エレベーター・ピッチ」とココロは同じかもしれませんね。
エレベーターで一緒になった1~2分でいかに理解してもらい、必要な判断をもらうかが勝負。そのために的確な説明ができるか。肝は何か。求めることは何か・・・
日ごろから頭の中の整理を心がけてないと、付け焼刃では全く歯が立たないですよね。
NAKAさん、
コメントありがとうございました。
おっしゃるように、突っ込まれても詳細の部分を説明できるように準備しておきたいものですね。
bibendum_iwa・岩永さん、コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、まさにエレベータピッチですね。
すぐに答えられるように心がけたいものです。