『銀河系最強から地上最強へ』 レアル・マドリードに見る、戦略思考の重要性


レアル・マドリードがスペイン1部リーグで優勝しましたが、レアル・マドリードのラモン・カルデロン会長のインタビューが昨日(6/19)の日経産業新聞に掲載されています。

—(以下、引用)—

―この試合を最後にベッカムが去り、チームも大きく変わる。

「“銀河系軍団”はこれで終わりだ。人気のある選手を多く連れてきたが、ポジションが重なったり、バランスが取れていなかったりした。世界のトップクラスの選手を獲得する方針は変わらない。ただ選手のバランスとチームの戦略を考え、効果的な補強をする。銀河系というような浮ついてごう慢な集団ではなく、地上で最強のチームをつくるつもりだ」

—(以上、引用)—

「銀河系最強」から「地上最強」へ、ということですが、単に人気のある選手を獲得するのではなく、チーム全体のあるべき姿を考え、求められる選手の能力を決めた上で、必要な選手を獲得することにした、ということのようです。

確かに、戦略なき選手補強は、「人気の獲得」という観点では意味があるかもしれませんが、「勝利の獲得」という観点ではあまり意味がありません。むしろ阻害要因になりかねません。

目標を定めて必要な経営資源を育て、あるいは調達する、という企業が普通に実行していることを行う方向に、レアル・マドリードも舵を切った、ということですね。

同じことは、レアル・マドリードのようなチームだけではなく、我々にも言えるのではないでしょうか?

従来、特に日本では一人一人が組織化した際の組織全体の能力が高いため、戦略思考がなくても組織で柔軟に対応でき、何とか出来ていた面もあったと思います。

しかし競争がますます激しくなる今後、戦略の重要性はますます大きくなります。また、インターネットやITに普及で、一人で任される責任範囲も大きくなり、一人一人の役割も拡大します。

このような時代、我々一人一人も戦略的思考能力が求められるようになるのではないでしょうか?

既にこのブロブでも何回か紹介させていただいていますが、田坂広志著「まず、戦略思考を変えよ」は、我々がこの力をどのように養うかを考える上で参考になります。