ITmediaの記事「日本のPCの流れが変わった“DOS/Vが生まれた日」を見て、DOS/Vが世に出て、もう16年も経っていることに改めて月日の流れの速さを感じます。
DOS/Vを初めて見た時の衝撃は今でもよく憶えています。
当時、パソコンはフォントROM等の日本語対応機能をハードウェアで持っていることが当たり前だった時代でした。
しかしDOS/Vでは、海外で販売してるAT互換機(当然日本語処理機能はハードウェアで持っていません)で稼動し、日本語が表示できました。
ハードウェアで処理していた日本語対応をソフトウェアで対応していたにも関わらず、スピード的にも全くストレスがありませんでした。
今ではソフトウェアで言語対応を行うのが当たり前ですが、ハードウェアの日本語対応が当たり前と思っていた当時は、「こんなことが出来るのか!」という新鮮な驚きがありました。
まさに、技術的なイノベーションだったと思います。
記事にもあるように、DOS/Vを契機にパソコンの標準化が図られ、それまで日本独自仕様のために数十万円したパソコンは、海外のAT互換機同様に一気に十数万円代に下がり、日本でのパソコンの爆発的な普及に繋がりました。
もしDOS/Vが存在していなかったら、日本でのパソコン普及のタイミングはもう少し遅れていたかもしれません。
世の中は今とは違った様相を呈していたかも….そんな気もします。
DOS/V は価格低下に貢献したと思いますが、
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/6200.html
を見る限り、DOS/V の登場(1990年)によって爆発的に普及したとまでは言いにくいですね。
当時、「DOS/V vs. 98」という企画対談に同席したことがありますが、そこで予想された5年後に勝利したのは「DOS/V でも 98 でもなく Windows」だというのが、ある参加者の評価でした。
dosv.com、9801.com を後生大事に持ってたりしますけど:-)
引用されている記事にある93年12月開催のDOS/V EXPOの写真を見て「あ、晴海のドーム館だぁ!」と喜んだ私は、93年のそのとき正にIBMでイベント屋をやっていました。
データショウ(今のCEATECの源流のひとつですね)の直後だったんで直接お手伝いはしなかったんですが、翌年から2年間は宣伝に移ってDOS/Vの広告出稿も担当してました。
当時のブランド側でマーケティングを担当していたS部長(当時)は現在某S社の社長をやっていたりして…
思えば遠くへ来たもんだ。
私もその時代を知る人間ですが、「いくらDOS/Vが安くとも、使いたいソフト(一太郎等)が98にしかないしなぁ」というのがあの時代だったように思います。NECも『速さは、力』というキャッチコピーで、ハードウェアでの日本語処理の優位性をアピールしてましたし。
もちろん、DOS/Vのソフトウェアとしての凄さは認めるものですが、DOS/Vがあろうがなかろうが、結局のところはパソコンの一般への普及はWindows95から始まったのではないかと思います。
> ハードウェアでの日本語処理の優位性
wikipedia にも「スクロールの速さ」みたいなことが書いてあったんですが、これってキーリピート速度の違いでしかなかったと聞いたことがあります。
mohnoさん、
いい資料のご紹介、ありがとうございました。
ブクマしました。
これを見ると、低価格化には大きく貢献しましたが、その後の普及の下地作りをした、という感じですね。
岩永さん、
DOS/Vの広告を担当なさっていたのですか。世の中狭いですねー。
おおばさん、
コメントありがとうございました。
その広告、何となく憶えています。mohnoさんもおっしゃるように、実際にどうか論争もあったような….。パソコンの本格的普及はWindows95から、というのは同意です。
mohnoさん、さすが詳しいですね。
みなさん、こんにちは坂本です。
> * おおた at 2007/10/31 18:27
> 私もその時代を知る人間ですが、「いくらDOS/Vが安くとも、使いたいソフト
>(一太郎等)が98にしかないしなぁ」というのがあの時代だったように思います。
私は、1991年ごろ、PS/55Z で DOS version 4.0/J版の一太郎4.3を使っていた記憶があります。Windows は3.0でしたが、DOS/VがメインでWindowsはソリティアくらいしか使ってませんでした。
その後、エンタープライズPC市場は、Windows 3.1JでMicrosoft Office 4.3( Word 6.0 / Excel 5.0)へ動き、ここで、NEC PC-9800シリーズ支配の終わりが始まっていたと記憶します。Windows 3.1JによるXGA表示が強力でしたから。Windows 3.1JはDOS上で動いていたので、DOS/Vが無ければかなり歴史は変わっていたでしょう。
いわながさんがおっしゃっている、「当時のブランド側でマーケティングを担当していたS部長(当時)は現在某S社の社長」って、私がよーーく知っているS氏のことでしょうね。(その後、S氏はミスターOS2と呼ばれることとなった)
すいません。コメントへのコメントですが…
> 私がよーーく知っているS氏のこと
へへへ (^_^;
最近お元気かな?と思いまして…