昨夜は、このブログで2回ほど書かせていただいた、ロシアのピアニスト アレクサンダー・コブリンの演奏会に行ってきました。彼のコンサートに行くのは1年ぶりです。
場所は浜離宮朝日ホールでした。今年9月1日に私達が演奏会をしたのと同じホールで、2ヵ月後にあの天才コブリンが演奏するとは、…感無量でした。
いつも感じるのですが、叙情的かつテクニックも素晴らしいですね。極上の2時間でした。
前回と比べて、今回は、特にピアニッシモの部分に磨きがかかって凄かったですね。繊細な部分をきめ細やかに撫でるように弾くのですが、非常に小さな音にも関わらず、むしろフォルテの部分よりも力強さが感じられました。ここ1年でさらに深まったようです。
祖先がポーランド出身のためか、ショパンの曲にも重みを感じました。
ところで今回も演奏会後にサイン会があったのですが、CDにサインしていただく際に、彼が髭を生やし始めているのに気が付いたので、「お似合いですよ」と言ったところ、普段ポーカーフェイスの彼が笑っていたのが印象的でした。
私は初めて髭を生やし始めた頃は周りの感想が結構気になりましたが、あのコブリンも同じなのかもしれませんね。
今回のコブリン、さらに叙情性が増していましたね。永井さんのおっしゃる通り、ピアニシモの部分に彼のさらなるこだわりが感じられました。ショパンのバラードでの深淵を覗き込むようなピアニシモは感動するというよりゾッとするような凄みがありましたね。引き込まれるような妖しさでは天下一品です。これがクセになってしまいCDをせっせと買い込みサインもおねだりして帰ってきました。さすが永井さん、お話しできたんですね。昨年よりは少し笑顔が出るようになってきましたね。お客さんの入りもまあまあ良かったですし、コブリンもサービスレベルを上げているのでしょうか?個人的には笑わなくてもいいけど、迎合だけはしないでほしい、我が道を貫いてほしい、と願っています。最も難しいことかもしれませんが。世界に二つとない稀有な才能を持ったピアニストだと思います。
このままいけば、将来はグレングールドのように神格化されるような存在になるかもしれませんね。
こぶらーさん、
コメントありがとうございました。こぶらーさんも演奏会にいらしていたのですね。
ピアニシモの小さな音で力強さを感じさせるのは、まさに彼ならではの凄みですね。
弱冠27才のコブリン、老成していますが、家族も出来て、余裕というか人間的な幅も出てきて、音楽的なレベルも上がってきているように思います。
演奏会が終わってから気さくにサインして握手までしてくれるコブリンですが、今後どこまでレベルアップしていくのか、将来が末恐ろしいですね。