電子書籍の話題がブレイクしている昨今ですが、日本でも昨年10月に発売され2万9千部を超える売上を記録しているベストセラーを無償公開する実験が行われています。
大手出版社の文藝春秋が3月1日から1つの実験を始める。昨年10月に出版した新書『生命保険のカラクリ』をインターネット上で全文無料で読めるようにするというもの。大手出版社が丸ごと1冊を無料で公開するのは極めて異例のことだ。
単行本の無料ダウンロードの試みと出版の今後 (ダイヤモンド)
ライフネット生命保険の副社長である岩瀬大輔氏が新しい実験を始める。昨年、彼が文藝春秋社から文春新書の一冊として出版した『生命保険のカラクリ』の全文を3月1日から4月15日までの期間、無料でダウンロードできるようにする。
ダウンロードはこちらから。性別、年代、メールアドレスを記入するだけです。
4月15日までの限定公開です。
ダウンロードしてみましたが、合計2MBで新書版と同じスタイルの縦書きPDFファイルです。
以前も「共感をエンジンとして成長していく、ライフネット生命保険」でご紹介したように、著者の岩瀬さんが副社長を務めておられるライフネット生命保険は、生命保険の仕組みを大きく変えようとしている会社です。
岩瀬副社長ご自身は、本書を通じて多くの方々に読んでいただき、同志を広げていきたいという強い想いがあるのかもしれません。
その観点では、今回の本を無償公開して多くの方々に読んでいただく実験は、その志を世の中に伝える大きな意味合いもあると思います。
一方で、別の観点もあります。
電子書籍デバイスがまだほとんど出回っていない現時点の日本で、PDF版が公開されても、実質的に読める端末はほぼパソコンに限られます。
iPhoneでも読むことは出来ますが、小さい画面ではちょっとつらいかもしれません。少なくとも、最近は目がちょっと遠くなった私には、かなり厳しいです。
また、印刷するとかなりの枚数になり、本を買った方が安くついたりします。
iPADが世の中に出回っている状況か、年末にKindle日本語版が出回っている状況では、この実験はまた別の意味合いを持つかもしれません。
4月15日までのこの実験は、ネガティブなリスクが発生した場合、その影響を最小限に抑えられる微妙かつ絶妙なタイミングであるようにも思います。
記事によると、今回の実験は、「どこかが始めるのは時間の問題。文春のような保守的な出版社が先駆けてやることに意味がある」という岩瀬さんの熱意が文藝春秋さんを動かしたそうです。
ネットでの無償公開が、ベストセラーの売れ行きに拍車をかけるのか?
この実験の結果は、今後の電子書籍や、ネットでの書籍無償公開など、様々な観点で大きな意味を持ってくるのではないでしょうか?
注目したいと思います。
はじめまして、岡本と申します。いつも楽しみにブログ読まさせていただいています。
『生命保険のカラクリ』のpdf良い!です。英語版Kindle DXで試しに入れてみましたが、pdfに日本語フォントが入っているようで、ちゃんと日本語表示されていました。Kindleのpdfリーダーはリフローモードがないので、フォントを自由に拡大縮小できず、pdfによっては文字が小さすぎて読みにくかったりするのですが、このpdfで使っているフォントサイズなら、KindleDXで十分読めました。たぶんKindle2でも十分かもしれません。
岡本さん、米国からのコメントありがとうございました。
Kindle DXで読めたのですね。
私は一昨晩Kindle2を注文したばかりなので、週末に試してみます。楽しみです。
これからもよろしくお願いいたします。