バブル前の1980年代まで、日本企業は「絶好調」とも言えるほどの強さを誇っていました。
その要因の一つが、個人が持つ暗黙知を、組織全体で共有し、そこから価値を生み出す力だったのではないでしょうか?
このように組織全体で知識を共有し価値を生み出すメカニズムを、野中郁次郎先生は世界的名著「知識創造企業」で提示されました。
世の中に「知識経営」の考え方が拡がる契機にもなりました。
その後、日本企業が強さを失った理由の一つには、利益重視の管理手法でこの仕組みが失われたことがあるのかもしれません。
一方で、Twitterやブログに代表されるソーシャルウェアは、チームで暗黙知を共有して価値を創造する上で、大きな可能性を持っています。
しかし現在、企業によるTwitterやブログ活用事例の多くは、顧客や市場と企業間のやり取りで使われているものです。
社内で組織を活性化し、暗黙知を共有する手段としてTwitterやブログを活用している先進事例はあるものの、数は多くありませんし、必ずしも大規模ではありません。
それでは、企業がソーシャルウェアを活用し、組織で暗黙知を共有して価値を生み出す仕組みを作ることで経営力を強化していくためには、どうすればよいのでしょうか?
この課題への一つの解決策を提示すべく、今週から、私の勤務先の日本IBMのトップページで、下記の特集を開始しました。
本特集は、製品の視点ではなく、経営力強化の視点で、どのようなエンタープライズソーシャルウェア技術が活用できるのか、日本IBMのソーシャルウェア・エバンジェリストの行木さんが語っています。
エンタープライズソーシャルウェアを1万人規模でグローバルに展開されているベルリッツ様の事例もご紹介しています。
「エンタープライズ・ソーシャルウェア」という概念は、ソーシャルウェアを活用して企業の組織変革を促進していく上で、今後、重要な考え方になっていきます。
巷では「社内Twitter」という言葉もあります。一方で、「エンタープライズ・ソーシャルウェア」は、Twitterの機能にとどまらず、ソーシャルウェア全体を網羅しており、概念的にもかなり広いものです。
もしよろしければ、是非ご一読を。
なお本特集は、こちらでご案内したシリーズの第二弾です。これからも、第三弾、第四弾と、続いていきます。
エバンジェリストの行木さんが本特集に関して書いたブログも、昨日公開されています。
行木さんも書かれているように、このような記事、エバンジェリスト(行木さん)やマーケティングマネージャー(私)だけではできません。
プロフェッショナルのWebエディターやWebマスターがいて、お互いに徹底的に議論して暗黙知を共有することで、クリエイティブが出来上がり、世の中に生み出されます。
まさに、コラボレーションの産物ですね。