Just Right! + 共同通信社記者ハンドブック校正辞書を使ってみた


ブログを書いているとほとんど意識していなかったのですが、2年前に初めて本を書いたときに、ある編集のプロの方から、それまでまったく知らなかったことを指摘いただいたことがあります。

世の中には、正しい送りがなとか、漢字、言葉があるということです。

 

編集の世界では、その基準は、共同通信社記者ハンドブックです。

パソコンを使っていると、かな漢字変換でつい難しい漢字を使用しがちです。

しかし、そのような文章が、必ずしも読みやすい訳ではありません。

共同通信社記者ハンドブックは、分かりやすい表現や正しい仮名遣いを掲載しており、報道機関やメディアで文章を書く人達の標準になっています。

でも、このハンドブックを読んでチェックするのは大変ですよね。

 

実は、校正ツールJust Right!に、「共同通信社記者ハンドブック校正辞書 for Just Right!」(Just Systemsのサイトで購入可能)というオプション製品があります。

この二つを使うと、自動的に共同通信社記者ハンドブックに準拠しているかどうかチェックしてくれます。

ちょっと高かったのですが、3冊目の本ですし、個人出版なので自力で校正する必要もあります。

今までの経験から、自力の校正はとても時間がかかるので、今回、思い切って購入。

昨晩届き、早速チェックしてみました。

 

結構使えます。

こんな感じで指摘してくれます。

下さい → ください
様々な → さまざまな
エッセイ → エッセー
拡がる → 広がる
皆様 → 皆さま
人達 → 人たち
分っているのか → 分かっているのか

左側も必ずしも間違いではないのですが、共同通信社記者ハンドブックでは右側が標準です。

 

また、修飾関係があいまいな表現も指摘してくれます。例えば下記の文章は

複雑なデジタル家電への手厚いアフターサービス

これは、「複雑なデジタル家電を使用する際に提供する、手厚いアフターサービス」とでもすべきですね。

時に正しい表現も指摘する場合がありますが、それは自分が確認すればよいので問題はありません。自分が気がつかない怪しい表現を指摘してくれることが重要です。

 

表記揺れも指摘してくれます。

万引 と 万引き
見いだす と 見出す
一人 と 1人 と 1人

一つずつチェックして修正する形になります。 

 

注意すべき点は、100%正確ではないこと。

例えば、表記揺れで数十カ所指摘された部分を、一括で修正すると、おかしな文章になってしまうケースが結構あります。

一例を挙げると、「いう」「言われる」「言う」「言える」という表記揺れを、「言う」にあわせて一括修正すると、最後の「言える」が「言る」になってしまいます。

完成した文章に、間違いが組み込まれてしまうことになるので、これでは本末転倒ですね。

 

『「間違い指摘ツール」であり、必ずしも「修正ツール」ではない』と理解して使うと、素晴らしい威力を発揮してくれそうです。

Just Right!と校正辞書をあわせると4万円近くかかりますが、継続して品質の高い文章を書くニーズがある人たちにとっては、時間的コストを削減できるという意味で、とてもリーズナブルなのではないでしょうか?

他には代替製品がなく、対象顧客が絞られているあたりは、とてもバリュープロポジションが明確な商品ですね。

まだ使い始めて1-2時間ですので、また新しい発見がありましたら、ご報告したいと思います。

 

ちなみに、この文章もJust Right! + 共同通信社記者ハンドブック校正辞書でチェックしてみました。

「数十カ所」とすべきところを、「数十箇所」にしていたのを指摘してくれました。