2011/01/25の日本経済新聞のコラム『一目均衡:「世界2位」の先にあるリスク』で、中国の時代について書かれています。
—(以下、引用)—-
「世界経済はアイドル(崇拝対象)が現れては消える」(UBSウェルス・マネジメント・リサーチのアンドレアス・ホファート氏)。1980年代の日本、90年代のアイルランドなど欧州周縁国、そして2000年代の米国。経済の強さの裏には必ずひずみが生まれ、永遠には持続しない。
今は中国をアイドルに見立てる。いつまで輝くだろうか。高成長を支える生産年齢人口はあと5年でピークアウト。輸出から内需主導の成長に向けた転換に使える時間はそう長くない。
—(以上、引用)—-
2011年1月11日の日経ビジネス「再び世界の先頭へ」で、2010年から2050年の人口変動が掲載されていました。(出典:日本経済研究センター作成「人口が変えるアジア-2050年の世界の姿」(2007年))
【人口縮小組】
日本:1.3億人→0.9億人
韓国:0.5億人→0.4億人
中国:13.3億人→12.6億人
EU:4.5億人→4.2億人【人口拡大組】
米国:3.0億人→3.9億人
インド:11.1億人→17.3億人
日本の減少率はすごいですが、中国も、韓国、欧州同様、人口減少社会突入です。
逆に米国、特にインドの人口拡大は爆発的。
この辺りはパワーバランスに大きな影響がありそうです。
1980年代後半、私がIBMのアジア太平洋地区に対する製品企画に携わっていた頃、天安門事件が起こりました。
実際、一緒に仕事をしていて、中国IBMに勤務していた同僚のうちの何名かは、中国の将来に見切りを付けて、国外に移住しました。
当時、日本は絶好調。「エコノミック・アニマル」と言われたほどの勤勉な国民性、高い貯蓄率、製品の高い品質で、21世紀は日本の時代と言われていました。
アジア各国は皆「ルック・イースト」、つまり日本に学ぼうとしていました。
当時、今の中国の繁栄や、今の日本の停滞は、誰も予見できませんでした。
ことほどさように、未来とは分からないものです。
今から20年後、どの国が繁栄するか?
人口は一つの大きな要素ではあります。
しかし、競争の原理が今とは全く変わってしまい、現時点では全く想像できないところになっているかもしれません。
問題の原因は繁栄している時に生まれ、成長の芽は苦しんでいる時に生まれている、ということを考えると、それこそ、日本が再び繁栄していてもおかしくないかもしれませんね。