2月17日に、「【驚異的に格安で、高品質。しかも凄く速くてカンタン】 freelancer.comで、新興国への外注サービスを、個人で使ってみた」というエントリーを書きました。
20日近く過ぎた昨日になってアクセスが急増。
わずか3時間で、オルタナブログのアクセストップになりました。
理由は、フォロワー59万人のこの方がつぶやいて下さったおかげです。
このつぶやきの前は、はてぶは5件。つぶやきも数件。
堀江貴文さんが、「ヤバい!」とたった4文字だけつぶやいてから半日後の現時点で、はてぶは360件超、つぶやきも1000件超。
しかもまだまだ増えています
インフルエンサー恐るべし、です。
皆さんのコメントを読んで、改めて考えたことがあります。
それは、翻訳サービスがどうなるか、です。
実はこの画像レタッチ作業完了後、新著(日本語、4万文字)の英語への翻訳を、このサイトで外注できないか、検討しました。(元々、英語版をグローバルに出版したいとの思いがありましたので)
この時期、「新著の英語版の状況:日本人にとって分かりやすい英語でも、ネイティブにとっては分かりにくい。英語出版の壁は思ったよりも厚いと実感」に書いたように、40日かけて英語に自力で翻訳した結果が、なかなか自然な英語にならなくて、悩んでいました。
しかし検討した結果、このサイトで外注しても、満足のいくものが仕上がらないだろう、という結論になりました。
日本語の文章をそのまま英語に直しても、相手には伝わりません。
たとえば一例ですが、日本語でのロジック展開は「起承転結」です。
しかし、4年半前に「起承転結では通じない」に書いたように、グローバルコミュニケーションでは「転」の部分でロジックが変わることで、とても分かりづらくなります。
ですので、「起承転結」で書かれた日本語をそのまま英語に直してもダメで、グローバルコミュニケーションでは「起承結」にロジックを簡略化した上で、英語で分かりやすく書く必要があるのです。
同じような問題が、他の部分でもいろいろと起こります。
ですので、まず日本語で書かれたロジックを、欧米人にも分かるようなロジックに直す必要があります。
しかし、ここがなかなか難しいのです。
特にfreelancer.comでは、発注側が、応札側の納品物の品質をチェックできることが大前提です。
写真の場合、ある程度の画像処理の経験があれば、私のような人間でも画像の品質を判断できます。言語スキルに関わりはありません。
しかし、日本語から英語への翻訳の場合、翻訳した英語がネイティブにとって分かりやすい品質か、判断する必要があります。
そして残念ながら、ネイティブでない限り、この品質確認がとても難しいのです。
応札側の中には、Google翻訳にかけたものをサンプルとして提出する人もいるそうです。
さすがにGoogle翻訳にかけた程度の品質の英語なら分かりますが、様々な玉石混合の中から、本物の仕事をする人を見極める力が必要だということは、今回画像レタッチの外注をした経験で、身を以って理解できました。
ということで、新著の英語版をグローバルソーシングするのは、
1.「日本語ロジックになっている文章を、英語で分かりやすいロジックに直す数少ないスキルを持った人」を、
2.「当方で、英語の品質レベルがネイティブのレベルかを検証しながら見つけられること」が条件なので、
まず、応札側で必要な1.のスキルは、日本語と英語の両方をネイティブに理解できることが前提だと思います。日本人以外では極めて限られそうです。
また、発注側で必要な2.のスキルを持つ人は、英語を本業にしている人以外は、なかなかいないのではないでしょうか?
このように考えると、なかなか難しいな、というのが実感です。
一方で、画像処理や数値計算主体プログラミングのように、言語非依存サービスに関しては、どんどんグローバルソーシングが進む可能性がありますね。
ということで、現在、新著の英語版作成は、別の形で進めております。
後程、ご紹介できれば、と思います。
なお、今回のケースは、私が書いた本を英語版に翻訳する場合です。
中には日本語から英語に直訳してもちゃんと通じるロジックで書いた著書の場合は、グローバル・ソーシングが活用できる可能性も大でしょう。
あるいは、英語から日本語に翻訳する場合は、また状況が違うと思います。
私の経験談ですし、翻訳サービスの今後について明快な答えではありませんが、一つのご参考になればと思います。
ちなみに、「【驚異的に格安で、高品質。しかも凄く速くてカンタン】 freelancer.comで、新興国への外注サービスを、個人で使ってみた」で画像処理をお願いしたセルビアの方とは、私の写真サイトを紹介したりして、その後もメールでやり取りしてお付き合いさせていただいております。
このようなご縁もあるのですね。
謎解きをありがとうございました。
翻訳を仕事としている身として、このサービスには興味があります。訳質に関しては、コンテンツのカテゴリーによって翻訳会社の得手不得手があるように思います。developerWorksの場合、クライアントが翻訳者を育てるということが現実には起こっています。
なるほど、確かにクライアントが翻訳者を育てる、という面はよく分かりますね。