大災害時に情報が遮断されると、デマや噂により、二次災害が発生することが多くあります。
古くは、1923年に発生した関東大震災(M7.9)の際も、デマが流布されました。
Wikipediaによると、新聞では以下のような噂やデマが取り上げられました。
「東京(関東)全域が壊滅・水没」
「津波、赤城山麓にまで達する」
「政府首脳の全滅」
「伊豆諸島の大噴火による消滅」
さらには、「朝鮮人が暴徒化した」「井戸に毒を入れ、また放火して回っている」というものもあり、このデマを信じた市民が暴徒と化し、多くの被害者が出ました。
当時は、情報を流すメディアが十分に発達していなかったことも背景にあるでしょう。
情報遮断というのは恐ろしいもので、人は情報が遮断されると、限られた情報で判断せざるを得なくなり、その情報が間違っていると、普通の人でも、後からふり返ると考えられないような非合理的な行動を起します。
デマを防ぐためには、社会全体で正しい情報を流通し続け、情報遮断が起こらないようにすることが大切です。
昨日、「災害時のライフラインとして、極めて優れているインターネット (特にTwitterとUstream)」でも書きましたが、今回の大地震で、Twitterは情報遮断を防ぐ極めて優れた手段だと再認識しました。
まず、Twitterは様々な情報を流すことができます。
当然その情報は玉石混合。
しかし、「フォロワー数が多く、影響力が強い人は、適切な判断力を持っている」と仮定すると、リツィートする段階で、デマではなく正しい情報が伝播されることが多いように思います。
今回のTwitterのタイムラインを見てみると、「親戚(あるいは友人)がこう言っていたが、…」という情報は、デマであることが比較的多かったように思います。
デマを流す本人は、自分のツィートで多くの人達が反応するのを面白がっているのかもしれません。しかしデマ情報は、限られた時間とリソースが本来救助が必要な人に使われず、貴重な人命を失う結果に繋がります。
ですので、このような状況でTwitterをリツィートする場合は、それが正しいものかどうか判断することが求めらます。
・情報源(ソース)を確認する(できればURL)
・情報発信者は確かか、確認する
等で、かなりの部分は判断できると思います。
同様に、自分が情報発信する場合も、
・できるだけソースを明示する
・憶測は語らずに、事実を伝えること
・思いを伝える場合は、憶測や事実と分けて述べること
などが必要だ、と痛感しました。
3/12の福島第一原発・一号機の爆発で、パニックにならなかったのも、
・15:30の爆発から5時間半後の21:00に、対応策まで含めて記者会見できた
・この間、識者により、「既に原発は停止済。制御棒が入って制御されており冷却している。チェルノブイリとは違う」という説明がTwitterやブログでされた
という点が大きかったと思います。
ちなみに、普段は私はあまりTwitterでつぶやかないのですが、3月11日~12日は多分、私としては一番つぶやきました。→Togetterのログ