2011/07/22の日本経済新聞夕刊に、『ネット上のマナー「現実社会より悪い」8割』という記事が出ています。
—(以下、抜粋)—
警察白書は、現実社会よりインターネット上のモラルやマナーが「悪い」と感じている人が8割以上いるとの調査結果を公表した。
ネット社会のモラルやマナーが現実社会より「かなり悪い」と感じている人は56・3%、「少し悪い」は26・1%で計82・4%に達した。「かなり良い」「少し良い」は計0・6%だった。
—(以上、抜粋)—
ネットでは、様々な方々が利他的な行動をなさっており、素晴らしいことだといつも実感しています。
一方でブログやネットなどで色々と情報発信をしていると、ネット上のモラルやマナーの悪さも、同時に実感します。
実世界では、見ず知らずの初対面の人が目の前にいきなり現れて、人格を全否定するようなことを言う、なんてことはほとんどありません。少なくとも、私の体験では、今までの人生でほとんどそのようなことをされた記憶はありません。
しかしネットでは、こういうことが結構頻繁にあるのですよね。
ネット上のマナーが悪い要因の一つは、いまだに、世の中で「ネットでは匿名性が完全に保たれている」と信じられているためではないかと思います。
確かに、追跡困難な場合もあります。例えば、ネットカフェ等で書かれた場合です。しかし実際には、自分のパソコンを使ってネットにアクセスしている人が多いのではないでしょうか。
そして、サイトを見たり、コメントしたりすると、Webサイトにはかなりの情報がアクセスログとして残されます。以前こちらでも書いたように、OS、ブラウザー、ブラウザープラグインなどのバージョンや設定情報の組合せでユーザーを特定することもできます。
また、ブログにコメントした際でも、ブログのオーナーに知らされる情報(メールアドレスとIPアドレス)で、結構色々な情報が分かります。
例えば、whoisでIPアドレスで調べると、IPアドレスからホスト名が分かります。
ブログにコメントしたIPアドレスをたどると、名が通った立派な会社にお勤めの方が、ご勤務先のオフィスから誹謗中傷を書いていたりして、驚くことがあります。(しかも、不思議と先進ICT企業だったりするのですよね)
日本には、「お天道様は見ている」という素晴らしい言葉があります。ネットだから特別、ということはありません。
実生活でやらないことは、ネットでもやらない
この当り前のことは、心に留めたいものですね。
>ネットでは匿名性が完全に保たれている
「匿名性の盲信」が一番大きなことだと思っています。
対人コミュニケーションでは決して言えないことを、ネットという媒介をかえすと、言えてしまう。
直接なメールのやりとりでさえ、言わなくても良いことまで書いてしまう。
>実生活でやらないことは、ネットでもやらない
逆にネットでやっていることが、実生活でにじみ出てしまう。と感じています。
コミュニケーションに尽きる…
その先に必ず相手がいる…
思う気持ちって大切にしたいですよね。
新倉さん、
コメントありがとうございました。
「匿名性の盲信」、まったくその通りですね。
「ネットでもリアルでも、相手は痛みを感じる生身の人間であるのだ」という当り前のことを感じる想像力を、もっと持てるようになるといいですね。