小林製薬は、「"あったらいいな"をカタチにする」というコーポレート・スローガンを持っておられて、「今までになかったもの」を作ることをモットーされている会社です。
2012/3/16の日本経済新聞夕刊に「人間発見 小さな池で大魚釣る(5)小林製薬会長小林一雅さん」という記事が掲載されています。
小林製薬は2001年に使い捨てカイロの桐灰化学を買収、2005年には「命の母A」の独占販売権取得、2008年には肥満症改善薬「ビスラットゴールド」の商標権を取得、等、M&A(合併・買収)を加速しています。
小林会長は以下のように語っておられます。
—(以下、引用)—-
M&Aの決め手は小林製薬がその事業を再生できるかどうかやと思うてます。単にその事業の売り上げと利益が上乗せされるだけのM&Aやったらやらん方がまし。それまでのやり方で成果を出せへんかったところを見極め、小林製薬のマーケティングや販売、企画開発力で生き返らせて利益を出すようにできるM&Aやったら今後も積極的にやろう思うてます。
—(以上、引用)—-
「単にその事業の売り上げと利益が上乗せされるだけのM&Aやったらやらん方がまし。」というのは、M&Aでとても大切な視点だと思います。
M&Aの結果が1+1=2、つまり売上と利益が上乗せされるだけならば、社会的には価値を生み出していません。
1+1>3を実現する、つまりM&Aで相乗効果を出して売上と利益が何倍にも増えることで、はじめて社会に価値を生み出します。
自社の強みと、相手の強みをいかに組み合わせて新しい価値を生み出すか。その視点がM&Aを仕掛ける側に必要なのでしょう。