難しい交渉を有利に進める決め手、”BATNA”


相手と利害が対立し難航が予想される交渉ってありますよね。ゼロサム交渉(一つの利益を取りあうパターン)などはその典型です。

そのような交渉を上手く有利に進める決め手は"BATNA"と言われています。

"Best Alternative To Non-Agreement"の略で、「交渉が成立しない場合の次善策」のことです。

 

実際、BATNAの存在があるかどうかで、交渉の立場は大きく左右されます。

例えば、満足のいくBATNAがあれば、交渉が上手く成立しなくてもダメージは少ない(あるいはない)ので、強気に交渉できます。

一方でBATNAがない(例えば「交渉でお金を調達できないと倒産または破産してしまう」というような)場合は、交渉が成立しないと大変に困ったことになるので、あまり強気に交渉できません。

ご自分の実際の経験で「なるほど」と思われる方も多いと思います。

 

したがって交渉の前に、満足のいくBATNAを用意できるかどうかが、その後の交渉の成否を左右する、(つまり当たり前のことですが交渉は交渉の準備段階から始まっている)ということだと思います。

恐らく交渉の達人は、意識していなくても自然と考えていることかと思いますが、交渉にはできる限り満足がいくBATNAを用意することが重要なのですね。