米国防総省には、アンドリュー・マーシャルという91歳の名軍略家がいます。
超長期の米軍の戦略を担うネットアセスメント局を1973年からなんと39年間、現役として率いています。余人をもって代えがたい洞察力があるためです。
その稀代の名軍略家マーシャルが今の中国をどのように見ているかが、2012/11/04の日本経済新聞の記事「風見鶏 老軍略家からの警告」に書かれていましたのでご紹介します。
—-(以下、引用)—
同氏の有力ブレーンの1人に、著名な米戦略家のエドワード・ルトワック氏(70)がいる。彼の話を聞くと、マーシャル氏の思考の一端が透けてみえる。
「尖閣での強硬な態度は、中国の拡張路線の表れではない。むしろ国内の不安定さに原因がある。北京では指導部の権力の移行も円滑にいっていない。そうした矛盾から目をそらすため、日本に強硬に出ているのだ」
つまり、中国は内部がもろくなると、対外的には強硬に傾いていくというわけだ。そんな観察に基づき、ルトワック氏は日本にこう提言する。
「領土については譲る余地をみせない。同時にこちらからは一切、挑発もしない。日本が中国に対応する際、この2点が肝心だ」
なぜなら、そうすれば墓穴を掘るのは中国だとみているからだ。
—-(以上、引用)—
なぜそうすると中国が墓穴を掘るのでしょうか?
記事では、中国はアジア諸国を主導できる「中華圏」を再建したいにも関わらず、尖閣や南シナ海での強硬ぶりにより、周辺国が中国離れをしてしまうから、とその理由を紹介しています。
記事を拝読して、現在の中国情勢について改めて視点を得ることができました。
同時に、徹底した事実データに基づく分析の継続と、戦略立案の大切さも再認識しました。
ライフネット生命の出口社長が、「ビジネスでは、国語ではなく、数学で考えるべし」とおっしゃっています。改めてこの言葉の大切さが分かります。