ユニ・チャームは中国・インドネシアといった海外新興国の市場開拓を加速しています。
海外売上比率は、2005年3月期に24%だったものが、2012年3月期には47%。7年間で倍増です。この比率は早期に8割まで高める計画だそうです。
このユニ・チャームの海外進出、どのような戦略で行われているのでしょうか?
日本経済新聞 2013/1/4の論文「経営塾 顧客は世界に広がる① 進出先でトップメーカーになる」で、ユニ・チャーム社長の高原豪久が次のように述べておられます。とても簡潔に分かりやすくまとまっていましたので、引用させていただきます。
—(以下、引用)—
…人口減少が続く国内市場において同業他社との競争に明け暮れているだけでは、成長は見込めない。….
(中略)
新興国では高率の経済成長で人々の生活が豊かになり、それまで使っていなかった紙おむつや生理用品なども受け入れるようになってきた。当社の戦略は進出先の国で新たな市場を作り出し、その製品のトップメーカーとして認知されることである。それはある種の先行者利益であり、有利に販売を続けられる。
いちからビジネスを立ち上げれば、製造だけでなく販売条件や流通経路も当社の方針通りに作り上げることができる。こうした進出先での「垂直統合」こそが大きな利益を生む。
—(以上、引用)—
まさに自社製品の強みを活かして新市場に進出することで、ブルーオーシャンを作り出し、かつ自分たちでルールを決めているわけです。
新市場開拓は大変な苦労が伴いますが、新たな市場や顧客を作り出すのはエキサイティングな仕事でもあります。
同時に、ユニチャームの成功を見た同業他社が、形を真似てアジア進出し、同じことをなぞっても決して成功しないでしょう。既に市場のルールはユニ・チャームにより決められているからです。
ベストプラクティスだけをなぞってもダメで、戦略思考に基づいた戦略立案と、その着実な実行が大切であることがこの論文からもよく分かります。
この論文の連載、楽しみです。